2014年07月23日

現在の日本ボードゲーム市場規模を推測してみる

日本のボードゲーム産業における現在の市場規模をネット検索してみたが、ぴんとくるものが見つからなかったので、手始めに調べてみることにした。

Wikipediaによると、2007年時点のドイツのボードゲーム市場は4億ユーロを突破している。
それから7年経った2014年。ドイツにおけるこの市場は成長傾向であり、2013年には前年比5%で成長しているという記事があった。
http://www.tgiw.info/2013/10/

仮に毎年5%の前年比成長を遂げているとすれば、ドイツのボードゲーム市場は5.6億ユーロ。日本円にして約760億円ということになる。
この760億円というのはなかなかピンとこないが、日本の同人誌市場が2014年時点で約700億円といわれている。他に近いところでは、ブルーレイディスクの売上は2013年時点で年間843億円である。
これらの比較対象から考えても、ドイツのボードゲーム市場が非常に大きいことはよく分かる。

ドイツの人口は約8,000万人で、日本の約2/3。少子高齢化はかなり深刻であるとのこと。にもかかわらず、市場は成長を遂げ、年間250〜300のボードゲームが新しく生まれている。ということは、ターゲットは子供に限らず、幅広い「遊びのツール」として生活に浸透しているのだろう。

さて、日本のボードゲーム市場はどうだろうか。
日本玩具協会の資料によれば、2013年の玩具全体の市場規模は4,020億円である。
その中で、アナログゲームが含まれるであろう分野の売上高は129億円。
http://www.toys.or.jp/toukei_siryou_data.html

この中にはオセロやUNO、パズルなどの伝統ゲームなども入っていることから考えると、おそらく純粋なボードゲーム(輸入、国産同人etc)は5%以下の、5億円ほどだろうか。
日経の記事によれば、2011年の東日本大震災のエネルギー問題意識の影響でアナログゲームは追い風となり132億円に達したが、その後微減となったようである。この記事によれば、日本のTCG市場は1,000億円以上あり、如何に美味しい商売か分かる。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD120HB_S2A610C1TJ2000/

別のアプローチからフェルミ推定をしてみる。
今年度の大阪ゲームマーケットの来場者は累計2,500人であったようだ。
そして東京ゲームマーケット2014の来場者数が累計6,500人とのこと。
この中には当然重複があり、なおかつ地方からの来場者もいるわけだが、どちらにも参加できなかったボードゲームプレイヤーが2,000人いたとしよう。
この場合のボードゲームプレイヤーの定義は、ゲームマーケットに行く、もしくは行きたいというレベルでボードゲームが好きな人、としておく。

パレートの8:2の法則(上位2割が8割を構成する)から考えてみると、これらボードゲームプレイヤーの11,000人のうちの2割、つまり2,200人がヘビーユーザーと仮定する。彼らが市場の8割を占めているのである。

このヘビーユーザーの定義はかなり曖昧だが、

ヘビーユーザー=自らボードゲーム会を企画、参加する。ボードゲームを周囲に広めたい。最新の情報をチェックし、新作ゲームは間違いなく購入する。時には輸入して日本語シールを作って貼ったりもする。
年間で20作以上のゲームを購入している(おそらくもっと購入している人は多いのだろうが)。

としてみる。1作あたり、かなり幅はあるが2,000〜8,000円くらいが多いので平均値で5,000円とする。
すると、2,200*5,000*20=2.2億円。これが全体の8割だとすると、2.75億円がボードゲームの市場規模といったところではないか。

前述の推定と併せて考えれば、日本のボードゲーム市場は現在約3億円〜5億円ではないかと推測される。
3億円というのは、日本において最も多い中小零細企業の売上高であり、1カテゴリーの市場規模としては非常に小さい。これでは大企業が参入しないのも無理ははない。
そんなものに投資するより、トレーディングカードゲームは1,000億円の成長市場なのだ。
もしくはソシャゲーであれば、開発費5,000万円〜1億円で、一発当てれば年間1,500億円である(パズドラ参照)。

逆に考えれば、この市場を盛り上げる場合、現在行われているボードゲーム会のような草の根活動がまずとても重要であること。
そして、ベンチャー企業しかまず挑戦しない分野であるということである。この市場を最終的にドイツ市場並に盛り上げることができれば、色々楽しいことになりそうである。

次回の記事では、環境分析について深く掘り下げて、何がこの市場における成功要因となりえるのかを考えてみたい。

【まとめ】
・2014年時点の日本におけるボードゲーム市場(輸入、同人)(※オセロ、将棋、TCGなどを除く)は年間約3〜5億円ではないかと推測される。

・ドイツ市場と比較すると大きな乖離があり、現状非常に規模が小さく、戦略次第では成長の余地があるのではないかと思われる。

ご意見や議論をしていただける方がいらっしゃれば、ぜひskype:himemiya3939まで。
posted by らりお at 23:37| Comment(6) | 市場分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月11日

ボードゲームの世界との出会い

私は家に人を呼ぶのが好きだ。
定期的に人が家に来る環境だと、常に家を「見せられる」状態にしておこうと思う。
そういう意識があるから、割りと家はいつも片付いているし、散らかっているとすぐ掃除しようと思えたりする。

もちろん人の家に行くのも好きだ。
人の家は気を使って落ち着かないというが、私はそんなことはない。
テレビを見て号泣し(確か子供が外国で単身赴任しているお父さんに会いに行く番組…)、腹いっぱいご飯をごちそうになって、こたつで大の字になって寝る図太さがある。それが例え嫁の実家でも。

さて、問題は家に呼んで、もしくは行って、そこで皆と何をするのかという話である。

学生時代は、それこそ夜通し「誰が好きなのか」とか、下ネタを延々と話したり。
あるいは一緒にテレビゲーム(スマブラ、モンハンetc)をやったりしていた。
それはなかなか楽しい一時だった。

しかし、徐々にテレビゲーム熱が冷めてきた。もちろんたまにモンハンをすると楽しいし盛り上がるわけだが、どこか単調さを感じるようになった。
(まぁゲームがそもそもへたくそというのもあるわけだが…。)

そして社会人になって、今度は酒を飲んで上司の愚痴を言い始める!
頭が痛くなるまで酒を飲んで、自分のことは棚に上げてとにかく社会や会社の不満をぶちまける。
…これはこれでやはり楽しい。こういうストレス発散はとても重要だ。

でもなんだろう。次の日の朝起きて、頭が痛くて、焦点の合わない目をした自分を鏡越しにみると、時々「あー…なにしてんだろう」とか思うこともある。
言ってる内容はいっちょまえになってる割に、「好きな子は誰か」という話をしていた学生時代と、本質的には変わっていないなぁと思うのだ。

ところで、私は人を楽しませる、そして一緒に楽しむことが好きだ。
そして考えるのが好きだ。一緒に何かを考えて何かをすることはとても好きだ。
思えば小学生のころだろうか、自作のゲームを作ってクラスメートに遊んでもらっていたことが結構あった。

私は多分、皆で集まったとき、一緒に何かで楽しみたいという願望を持っていたのだろう。

そんなときである。同僚が「ニムト」というカードゲームを持ってきた。

メビウス ニムト -
メビウス ニムト -

これまでカードゲームといえば、UNOかトランプで大富豪が僕の定番ゲームであるし、それ以外のゲームは知らなかった。というか、僕の頭に「他のゲーム」という選択肢が浮かび上がったことはこれまでなかった。

同僚いわく、外国(ドイツ)のカードゲームということで、考えどころと運が絶妙なバランスらしい。
ルールを聞いて「へぇー」という感じ。「ほんとにおもしろいのか?」と懐疑的になりながらも、やってみる。

すると、「あ、こうなるのか!!くそーーー!」「もう一回!」と場がすごく盛り上がったのだ。別にお金や罰ゲームを賭けているわけでもなく、単純に勝ちにこだわりながら、楽しくプレイすることができた。
ニムトはかなり運が影響するパーティーゲームであるが、それでも今まであまりゲームで感じなかった「ジレンマ」を感じることができたのである(ニムトの紹介は後日別途行う)。

この感覚がとても楽しくて、その日は何度もプレイして、勝って負けてを繰り返した。
持ってきた同僚以外は初プレイだったが、全員が楽しんでいたのはすごいなぁ、と感動したものである。

ここから、私はもっと色々なボードゲームを楽しんでみたいと思った。
調べてみると、ドイツではこの種のゲームで大きな市場ができており、デザイナーも多数いて、新作数も多く、非常に活気があるらしいことが分かった。

日本人もまた、トランプの大富豪や麻雀など、運と戦略のバランスがイイゲームというのに魅力を感じる傾向があると思う。しかし、僕のようにこんな面白いゲームが無数にあることを、まだ多くの人が知らないのではないだろうか。

テクノロジーは進化しても、人の本質は変わらないと私は信じている。人は常に考えることとその楽しさを、きっとゲームを通して得ていくのだろう。
人狼ゲームなどのアナログゲームが、日本でも少しずつ世の中化している今、この市場にとても熱いものを感じざるをえない。

当ブログでは、日本のボードゲーム市場について分析し、どのような戦略をとれば市場を拡大できるか、といいうテーマで記事を更新してみたい。
私自身はボードゲームについて素人なので、ボードゲームに関する専門的な知識や歴史を理解しているわけではない。あくまでイチ素人の立場から客観的に市場を見て、分析・考察を進めたいと思う。
「日本におけるボードゲーム市場の拡大」というテーマについて、もし一緒に議論をしていただける方がいれば、skype:himemiya3939 までご連絡いただきたい。
posted by らりお at 23:25| Comment(0) | ボードゲームコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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