2014年08月18日

【コラム】初心者の私はこんなインストをされたい

【ボードゲームにおける壁の一つ、インスト】
皆さんは、ボードゲーム会においてボードゲーム置き場の周りでひたすらオドオドしている人をよく見かけないだろうか。多分、彼もしくは彼女はやりたいゲームがあるのだけれど、ルールが分からないからできない!とりあえず何でもいいから誰かゲーム建ててくれないかな、チラチラッ、と待っている初心者だ。
つまり、私である。

ボードゲームにおける最大の壁の一つがインストだと私は思う。
単にルールを知っているだけでは不十分だ。知っていることと伝えられることは全く違う。
相手の興味を引きつつ、要点を相手目線で分かりやすく説明するというのは、ビジネスにおけるプレゼンテーションに似ている。ボードゲームのインストはそれさえもひとつのゲームの一部だと言ってもいいかもしれない。
様々なブログにインストについて書かれているし、インストに特化した本も販売されている、非常に奥深い世界だ。
そこで今回は、ボードゲーム初心者(まだ20〜30作しかしていないレベル)の私が、こんなインストされたら私にとっては一番嬉しい!というものをまとめることにした。当然、私自身も身内にはインストすることもあるので、自身へ向けてのメモの意味も兼ねて。

【ボードゲーマーを3つに分解する】
その前に知っておきたいことがある。それはボードゲームを楽しむ人々は様々であるということだ。
つまり、各人がボードゲームに求めていることは決して同じではない。そのため、どんな人にとっても最良なインストは存在しないと私は思っている。
しかし、私は大きく分けてボードゲームプレイヤー(もっと大きく見ればゲームプレイヤー)は3つの属性を併せ持ち、時にそれらは己の中で対立し、妥協し、共存しているのではないか、という仮説を持っている。

1. 勝負師
勝負師属性の強い人がボードゲームに求めること、それは緊張感だ。
彼らは研ぎ澄まされた感覚、繰り返しプレイすることで磨いた経験や技術を武器として、「如何にして勝つか」を最も重視するプレイヤーである。
往々にして重ゲーを好み、ひりつくような緊張感を乗り越えて、相手を出し抜き上位に立つことが最大の喜びだ。彼らは研究熱心で、気に入ったゲームは何度でもプレイし、敗北を嫌う。
時に初めてのゲームでも、勝ちを重視するため、インスト時にも定石などは知っておきたい。技量の違いすぎるプレイヤーとの勝負は避けたがる。なぜなら、彼らにとって重要なのは同じレベル間で拮抗することで生まれる緊張感なのだから。

2. 探求者
この属性が強い人は、新しいものを発見した時に最大の喜びを感じる。
彼らは同じゲームを何度もプレイすることは少ない。なぜなら、彼らにとって新しいボードゲームのシステム、世界観に出会う事こそが楽しさの源泉であるからだ。
彼らは勝敗にそこまでこだわらない。もちろん、勝利を目指してゲームを進めるが、それは他者に打ち勝つ喜びというよりも、ゲームシステムを最大限に遊びつくすための方法にすぎない。そのため、比較的長考をしない傾向にある。彼らは仲間と遊んでいるようで、実はシステムと遊んでいることのほうが多い。
「良いシステムだ」「世界観とマッチしてていい」と感じられた時、それが彼らにとってボードゲームをやっていてよかったと思う瞬間である。
彼らは重ゲーから軽ゲーまで何でも手を出すが飽きやすい。またインスト時に、「本来なら自分で考えることで得られた発見」を奪われると損した気分になる。

3. 娯楽人
娯楽人が好むのは、面白いという空気感だ。
彼らは笑いが起きる、驚嘆するといったパーティー要素を重視する。その原点には仲間とのプレイがあり、ゲームは一人ではなく皆でやるから楽しい、一人では味わえない面白さ、という所に大きな価値を置いている。
彼らの多くは軽ゲーを好み、勝敗を重視しない。彼らにとってゲームとは勝敗よりもその過程であり、そこで楽しめるかどうかが、面白いか面白くないかの判定基準だ。
システムの新規性や世界観とのマッチなどは重視せず、ただただ周囲が盛り上がり、自分もなんとなく楽しい気分になれれば十分なのである。
彼らはとにかくルールの核となる部分だけサッと知りたい。あとはやりながらプレイで十分だ。

【人格は混在する】
これらは一人の中に混在していて、場によって変幻自在にできるのが一番良いだろう。
ただ、大抵はどれか一つに偏っている気がする。
たとえば私は探求者60%>娯楽人30%>勝負師10%くらいだろう。
私の予想では、ボドゲに触れていない人は基本的に娯楽人が強いはず。そしてボードゲームにハマリ始めた人は探求者が強く、そこからのめり込むタイプ(元々格闘ゲーム好き、RPGやり込む派etc)は勝負師が強くなっていくのではないかと踏んでいる。
どれが良い、悪いではなく、「誰と一緒にやるか」でインストのやり方は変えるべき、というのが私のベストアンサーである(あくまで理想を語っていることは承知の上で)。

【こんなインストされたい、したい】
あくまで、探求者強い型の私がしてほしいインストを勝手気ままに書いてみる(オープンなボドゲ会という場面設定)。

基本スタンス:大きな声で、自信満々に、ゆっくりハキハキと、間違っていても気にしない

特に4つめが大事で、別に間違っていてもいいと思うんですよね。ゲームシステムが根本的に間違っていて、全くおもしろくなかった、となればモヤッとしてしまうかもしれませんが、体外は小さなエラッタです。
自信無さそうなインストより、間違っていても自信満々なインストが大好きです。

1. インスト者の自己紹介 ⇛ プレイヤーの皆さんの嗜好確認(軽ゲー派、重ゲー派etc)

割と私はゲーム前に会話を楽しんで打ち解けておきたい人なので、こういうのあると嬉しいですね。
インストする方も、ある程度面子の理解度、ボドゲ嗜好を確認すればどういうレベルのインスト必要かというのが分かるのでは。

2. ゲームの背景説明

探求者的な私は、そのゲームのバックグラウンドをとっても知りたいです。
例えば「これはカルカソンヌというゲームです。手番でタイルを1枚めくって〜」と言われても、そもそもカルカソンヌってなんだよ!と考えてしまいます。
「カルカソンヌはフランス南部にある要塞都市で、1990年代後半に世界遺産にも登録されてるんですよ。皆さんはこの要塞都市を作っていきます。部下を配置して、得点を稼いでいってください!」とか言われたら、世界観が見えてゲームに没頭しやすくなりますね。

3. ゲームの勝利条件説明

兎にも角にも、ゴールが見えないと始まらない。まずはどうなったら終わりなのか、勝ちなのかを説明いただけると助かります。また、そのときに「どのくらいの点数だと1位とれそうなのか」という情報があると最高ですね。その点を基準に「自分で考えながら」戦略をたてられます。
逆に全員が勝負師系でない限り、「このゲームはこれがきたら絶対こうした方がいい」というのは個人的にやってほしくないですね。そもそもゲームシステム的な問題もありますが、そこも含めて自分で考えたいプレイヤーもいます。本気で勝ちたいと思っているかというのは、かなり人に依存するはずです。

4. 手番説明

基本的に何すればいいの、という話ですね。
要点をまとめてさっさっと行きたいところです。大体は人がやってるのを見て真似してやるので、ここは割りと適当でもいい気がします。特にスタートプレイヤーがいるゲームであれば、経験者から始めれば、どうすればいいのか分かります。

5. 絶対に必要な補足事項

ゲームシステムの根幹に関わる重要な問題は事前に説明したほうがいいでしょう。
例えばカルカソンヌなら、相乗りについて。ニムトなら基本的な置き方、6つ目は列を引き取るなど。
大体ゲームシステムのコアがあるはずなので、そこを中心に説明いただけるとありがたいですね。
カード系のゲームで細かい特殊効果とかは、やりながらでいいでしょう。

6. 質疑応答

大体Q&Aで解決。後は何か問題起きたとき、その場で処理くらいでも私は全然平気ですね。

7. ゲーム終了後の豆知識、フィードバック

実はこのゲーム、こういう元ネタが(ピッグテンとか)、などの紹介。
単純に「どうでしたー?楽しかったですか?」などの声がけなどしてもらえたときは、「ほんわか」した気持ちになりますね。特に初心者って、自分のせいで他の人にも迷惑をかけてしまったかも…と結構不安なのですね。ですから、全員でエンジョイしましたよね!っていう空気感を作っていただける方はとてもありがたい存在です。

皆さんはこんなインストされて嬉しかった、楽しかった。逆にあのインストは辛かった、などの経験はあるだろうか。ぜひコメントでシェアいただければ幸いです。
posted by らりお at 22:48| Comment(2) | ボードゲームコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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