2015年02月17日

どこまでルール化するべきか?

出張やら接待やらで、なにやらずいぶんと時間が空いてしまいましたが、私は元気です!お久しぶりでございます。
大阪GMもあと2週間を切り、かなり情報も出てきてワクワクしておりますが……残念ながら今回は行けず。東京春でも販売してほしいなぁ、チラッチラッ。

さて、そんな東京GM春も、実は入稿が近づいてきておりまして……現在説明書などを詰めたり、調整したりと、やること盛りだくさんな状況が続いております。
今回記事にして考えをまとめておきたいと思ったのは、そんな作業中にふと思ったことです。

はてさて、ゲームを作る時、どこまでを「ルール」とすべきなんだろう
逆に言えば、どこまでプレイヤーに委ねるべきなんだろう……?

そんなお話です。

【ルールと作者の想いは別で考える】

具体的に言いましょう。

例えば、各自の手番があるゲームで、ダウンタイムが長い(他プレイヤーを待っているだけの何もしない時間)という欠点を持っていたゲームがあるとします。これを解決する手法としては、「手番を同時処理にする」「シンプル化して選択肢を減らし、思考時間を減らす」「そもそも一手5秒などの時間的制約を設ける」などがあるでしょう。
最も簡単な解決方法は3つ目の時間的制約ですが、はたしてそれは本当に「ルール」とすべきなのでしょうか。

あるいは、複数回プレイすることでプレイ性が増すようなゲームの場合、3回勝った人が勝ち、という「ルール」を設けるべきでしょうか。

「ボードゲーム=コンポーネント×ルール」であるとすれば、ルールは単純計算では50%を占めていると言えます。ルールは確かに無形ではありますが、その価値は非常に重いものです。ある意味、ルールはプレイヤーにとっての絶対的指標であるわけですね!

ルールが多ければ多いほど、複雑であればあるほど、プレイヤーの自由度は減少します。逆に言えば、作者が意図していたことをやってもらえます。プレイヤーからすると、完璧にデザインされた空間の中でいかに最適解を見つけるか。なんとなく、ゲームの作者に出されたクイズに挑戦するような感覚かもしれません。

一方で、ルールがシンプルであればあるほど、そのゲームはプレイヤーへの依存度が高くなります。誰とプレイするのかなどの環境も大きく影響を与えるでしょう。作者が予期していない展開(ある意味失敗?)や遊び方が生まれるかもしれません。

そもそもルールの多い、少ないでそのゲームの良し悪しは決して判断できません。
しかし、ゲームを作る側からすれば、ある事象を「ルール」として採用するかどうかは、何かしらの基準が必要だとは思います(人によりそれぞれ基準は違うでしょうけど)。

私自身の一つの答えとしては、ルールはマストなもの。これがないとゲームにならない、システムにおける最低限のことであると考えます。
strong>このゲームをゲームたらしめているものは何か。これを把握しておく必要があります。それをエッセンスにして文章に要約したのがルールであると、私は定義することにしました。

逆に言うと、「こうプレイしてほしいなぁ」というものをルールにしない
ルールと作者の想いは別で考える必要がある、ということですね!
ここをルールとして設けると、プレイヤーは急に不自由さを感じます。
「なんでそうしないといけないの?」
「俺はこうやりたいんだけど……」
それまではゲームシステムと向き合っていたのに、急にゲームデザイナーにやらされているような感じを受けるのです(少なくとも私は……)。

【作者の想いはどうなる?】

「でも、こうしたほうが絶対に面白いと俺は思うんだよ!」
そんな作者さんもいるはずです。私ですけど。
作者の想いを伝える手段、それはルール化ではなく、「提案すること」ではないでしょうか。
例えば説明書の中に、「○○することもお勧めです」とオプションを示しておく。「これをやって!」と強制されるより、「これもあるけど?」と言われる方が受け入れやすいかも!

また、あまりに縛らず、様々な余地を残しておくことで、思わぬ遊び方がプレイヤーから生まれるかもしれません。そこから、次のゲームアイディアに発展するなんてことも、往々にあると思います。

私は基本的にプレイヤーが好きに遊んでくれて、それぞれの楽しみ方があっていいと思っている人なので、緩くするのかもしれません……。

でも、そういえば、JRPGとかは割と一本道ゲームが多い(ある意味ルールが多い)けど、洋RPGは自由度が高い(ルールが少ない)ですね。実は日本人はルールに沿って進みたいということを強く求めているのでしょうか。
そうすると、日本人のほうが変なルールにはシビアなのかもしれませんね。アメリカ人なら「なんだこのルール、無視しようぜ」っていくところが、日本人は「このルールの意味はなんなんだ……?」とか結構考えているイメージがあったりします。

そんなわけで、ルーリングにはシビアな目が求められている、今日の日本ゲーム市場なのであります(たぶん)。
考えて、でも考えすぎず、あなたのゲームを快適に遊んでもらう最高のルールを目指しましょう。
posted by らりお at 16:38| Comment(0) | ボードゲーム制作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする