2016年03月16日

【コラム】ゲームブックというコンテンツの魅力

なんだかお久しぶりです。
2016年も、はや3か月弱がたちました。

そろそろ何か面白くて苦しいことをやらんとな、と思いつつ、なかなか変われていない現状です。子供が生まれたから仕方ないとか、なんだか下手な言い訳をしてたのですが、覚悟があればやってたはず。結局、覚悟が足りてなかったなぁ。

そんなわけで!
今年はその種を植えて、水をやり始める良いタイミングと位置付けました。
とにかくアイディアを出して、「植える」⇒「水やり」を繰り返そうと思います。

そんな中、過去の棚卸とか、自分のワクワクするところを想像していたとき、ふと「あれ楽しかったなぁ」っていうのがありました。

それが「ゲームブック」というコンテンツです。
(……そういう名前だということを最近初めて知ったんですけど。)

ゲームブックは、ゲームマスターのいらないTRPG的なものと言ってもいいし、RPG要素のある小説と言ってもいいかもしれません。
読者は主人公となって冒険し、読み進める中で、自ら行動を選択します。
たとえば、「右にいくなら195」、「左にいくなら253」と書いてあって、番号のパラグラフを読めば、また新たな展開が、という感じですね。

最近になって名作と呼ばれるドルアーガの塔シリーズが復刻されたので、早速購入し、プレイしているところです。

端的にいうと、ダイスを振って主人公のパラメーターを決定し、探検し、敵を倒してレベルアップするという基本的なRPG要素に、ダンジョンのマッピングをしていくゲームに仕上がっています

この行動の選択によってストーリーが変化するというシステムは、デジタルの世界でノベル系ゲームに見られる基本的なものですし、ダンジョンRPG×マッピングという点では名作ウィザードリィに始まり、世界樹の迷宮で使われています。

フラグ管理やマップ処理、ゲーム準備の手間を考えると、基本的にデジタルのほうが相性がいいシステムともいえます。その結果、現状で市場におけるゲームブックは、ボードゲーム以上にメインストリームではないようです。

たしかに、非常に面倒くさく、敷居の高さが多々あります。
例えば、以下の点です(ドルアーガの塔第一章「悪魔に魅入られし者」ベース)。

●プレイシートを作り、都度 修正するという手作業感、プレイミスの出やすさ
●初期パラメータの設定、戦闘が完全なダイス運。目が低いと弱く、高いと強い
●プレイヤーが自分1人のため、あらゆる面でズルできる(したくなる)

こう書くと、アトラスがDSで発売している世界樹の迷宮シリーズは、上記の不満点をすべて解消しているように思えます。

しかしながら、ゲームブックというコンテンツには上記のデメリットに勝る、素晴らしいメリットが存在すると感じているのも事実です。

それは、「濃密さによる圧倒的な没入感」という言葉に集約できます。

本という媒体であるが故に、複雑なフラグ管理はできません。
また、文章が冗長では本がどんどん分厚くなってしまいます。
だからこそ、1パラグラフの密度がとても濃く、1歩進めば必ず何かが起こる緊張感があります。これがプレイヤーのワクワク感(冒険心)をとてもくすぐるのです。
そして文章を読んで進めるという点から、プレイヤーには場面を想像する余地があり、実際にその世界に大いに入り込ませます。
これらの要素がプレイヤーの没入感を高めているのです。

「扉を開けるなら 357にいけ」と言われて、そのパラグラフまでペラペラと紙をめくっている瞬間のドキドキは、今、なかなか得難い体験ではないでしょうか。
ゲームブックの価値は、この「次は何があるんだろう」というドキドキ・ワクワクする体験に詰め込まれていると思います。
だからでしょうか、ゲームブックで遊ぶ時は、すごく子供に戻ったような気持ちで遊べるのです。

最近僕が感じていることの1つに「不便さの価値」というものがあります。
つまり、不便であることには理由があって、実はそこに大きな価値があることもある、ということです。ゲームブックは確かに手間がかかるのですが、そこに見合った楽しさ、体験があるのもまた事実です。

さて、このコンテンツをより商用化しようとすると、どうすればいいかについて、ちょっと考えてみました。
「選択によるドキドキ(強い没入感)」「私が作る物語」が、コアバリューにおけるキーワードでしょうか。

1つはリアル脱出ゲーム的な体験型アトラクションと、とても相性がいいと思います。
もともと1人用TRPG的ポジションのゲームブックですが、物語は実は複数人との意思決定やドラマの末に、作られたほうが面白いと思うからです(自分の影響力が見える必要がありますが)。
現在のリアル脱出ゲームはパズル・謎解きなので1人1回きりの消耗コンテンツで、「パズルが解けたときにカタルシス」みたいなところにコアバリューを感じます。
しかし、ゲームブック形式になれば耐用回数があがり、毎回異なる展開を提供できます。そして、自分たちが壮大な物語の一部になっているというロールプレイ的楽しさがコアバリューになるでしょう。

もう1つはボードゲームとの相性が良いのではないかと思っています。
(そもそもこのブログはボードゲームに関する考察ブログなので!)
例えば、本をコンポーネントにしたボードゲームで、各プレイヤーの選択に従って物語や展開が進んでいき、何かしらの手法で勝敗が付くイメージです。
そもそもボードゲームはジレンマの伴う選択を迫られ続けるものですし、人狼は筋書のないゲームブックに近いところがあります。
本というコンポーネントはページをめくれば変動するボードと見ることもできますから、それを使った面白いシステムも考えられそうですよね。
ゲームブックは戦闘などの細かなゲームシステムの部分に弱みがあるため、ボードゲームの様々なシステムを応用することで、没入感という強みを生かしつつ、より面白いコンテンツに進化することができそうです。

そのほか、デジタルと融合する形であれば様々なチャンスはあると思いますね。

最近、自分の興味がどういうところにあるのかというのが、かなり明確にわかってきました。
あとは本当に、種をやって、水をまいてみる。
芽が出たら、一緒に育ててくれる仲間を探す。

面苦しい人生を送りましょうー!

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posted by らりお at 15:21| Comment(4) | ボードゲームコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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