2014年08月11日

プレイスペースビジネスの更なる可能性について考えてみる

【麻雀市場との比較で、プレイスペースビジネスを考えてみる】

Twitterにてプレイスペースビジネスについての記事を読ませていただき、非常に興味深いと思った。やはり非常に厳しい世界だ。フロンティアスピリットには本当に頭が下がる。
http://vodka99.blog.fc2.com/blog-entry-127.html

プレイスペースはプレイ仲間が必要なボードゲーマーにとって非常にありがたい存在であるし、重要な役割を果たしていると思う。しかしながら、ビジネスとして成り立つか?という視点で見れば、現時点では「そこに特化しては難しいだろう」というのが私の結論だ。
プレイスペースビジネスについて考えるとき、とても参考になる市場がある。
それは同じボードゲームの一種である麻雀市場だ。

麻雀市場の推移について、非常に分かりやすく解説されているサイトを見つけたのでご紹介しておきたい。

http://monarisa.postach.io/

このサイトで重要な要素を抜き出しておくと下記の通りだ(他にも様々な考察があり面白いので一読の価値あり)。

・2012年時点の麻雀プレイ人口は760万人である
(日本国内の中で、1年間のうちに麻雀を行った人口)

・2009年のアニメ「咲」をきっかけに「ネット麻雀人口急増」するも、プレイ人口は減少傾向にある。

・2012年の市場規模は580億円(雀荘のプレイ料)である

・市場規模は年間105億円のペースで減少している。その原因はネットで、無料で楽しむ人が増えたこと。若者が雀荘に敷居の高さを感じていること。

翻って、日本国内のボードゲーム人口について見てみるとどうだろうか。
当ブログの最初の記事で書いたとおり、ゲームマーケットへの参加者などから推測すると、ボードゲーム人口はおおよそ1万人強といったところだろう。麻雀の実に760分の1である(ただボドゲは人口が伸びているであろう所には希望がある)。

麻雀プレイヤー一人あたりが雀荘に使う金額は7,631円/年だ(大体年に3〜4回程度か)。
これをとても強引にボードゲーム人口にあてはめると、8,400万円の市場となる。
もちろん人口は分散しているし、雀荘との認知度の差も考慮しなければならない。また、有志による300〜500円で1日遊べるボードゲーム会が各地で開催されていることも大きく影響するだろう。なぜなら、現状のプレイ人口だとかなりの人数がこのボードゲーム会で賄うことができそうだからだ。

JSSさんのボドゲ関係団体(※プレイスペースも含まれている)は全国で約150。

https://sites.google.com/site/jpsabsskypers/link

大体が月1開催で収容数が平均30だとすれば、150×12×30=54,000人のプレイアビリティがある。ボードゲーム人口が1万人強という仮説が正しいなら、一人当たり年5回は遊べる環境なわけだ。
これでは、8,400万円の市場はもっと小さくなるはず。更に賃料や光熱費など月10万(地方水準)ほどかかるとすれば年間120万の費用負担が必要になる。客単価1回あたり2,000円だとすれば、50人が損益分岐点。平日は人が少ない、休日勝負になるだろうから、赤字回避も結構きついのではないか。

※余談だが、囲碁はヒカルの碁、麻雀は咲のヒットでプレイ人数が大幅に伸びたという結果がある。やはり日本でのコンテンツの強さを強烈に感じる。ボードゲームもターゲットを絞ってコンテンツを創れば、上手くいく可能性はぐんと高まるのではないか。

【どうすればプレイスペースビジネスとして成立しそうか?】

究極的に言えば、ボードゲームプレイヤーが麻雀並に増えれば、雀荘並みにはいくかもしれない(とはいえ、ギャンブルではないため、その市場規模は小さいだろうが)。
私はそちらを目指したくて活動しているわけだが、今回は「現時点でプレイスペース的ビジネスをするなら、どういうコンセプトでやるか?」について考えてみる。

大きく分けて二つの方向性があるのではないかと思う。

1. 飲食店、バーなどがあくまでメインのビジネス。そのサブ要素としてボードゲームを提供する。

ボードゲームはあくまでマスターの趣味。気さくな店主を一つの売りに、合コンや飲み会の場の盛り上げ役に使ってもらう。気に入ったら購入可能。酔っ払った客は財布が緩い(悪い顔)。収益の柱は飲食店ビジネス、ボードゲームは店を彩る風味づけだ。

2. 全く新たなコンセプトのカフェとして展開する。

日本のカフェのイメージはビジネスパーソン達の自習スペース、商談スペース。
はたまた住宅街なら奥様達の井戸端会議の場だ。基本的に日本においては同じ店のグループ間コミュニケーションというのはほぼ見かけない。
一方、欧米ではすれ違い様に見知らぬ人から「Good morning」と声をかけられるのはよくある光景だ。アメリカのカフェ(特にスターバックス)は社交場としての機能を持っていて、特に大統領選挙の前あたりは政治的トピックについてのディスカッションの場になっていた。これは文化的な違い、特に欧州のサロン的な文化から来ているのかなと、個人的に思っている。

脱線したが、実は日本も欧米的な形式になりつつあるのではないか、という仮説を持っている。なぜならボードゲーム会はある意味のサロンであり、アメリカのスターバックス的機能を持っているからだ。ネット機能の発展により、知らない人と会いやすくなった、話しやすくなった。そして知らない人に会って話すことに対しての心のハードルは少しずつ下がってきているように思う。

そこで提案したいのが「コミュニケーションカフェ」というスタイル。
そこに行けばいつも新しい人に会える、発見がある、つながりが増える。そういうサロン的な場が日本にあってもいいのではないか、と思うのだ。
ここではカフェのマスターがうまくファシリテートして、人に話しかけやすいムードを作る必要がある。時にはマスターが人と人をくっつけてあげることも必要だろう。

私は、本当は皆もっと色々な人と話したいと思っているし、他の人のことを知りたいという欲求を持っていると思うのだ。そうでもなければ、こんなに本って売れないだろう。人間って人種が違うと文化も思想も違うけれど、根本の欲求は同じだと思うのだ。
しかし、日本では「いきなり知らない人に話しかけるのは無礼だ」「変に思われたどうしよう」という固定観念や恐怖がある。このカフェでは、「そういう前提は全くないんですよ」という雰囲気があるわけだ。
その人と人との最初のぎこちなさをうまくつなげる接着剤として、ボードゲームが非常に有効な役割を果たすのではないだろうか。カジュアルに、オープンマインドにお互いゲームを通して楽しむことで、終わった後にはきっと打ち明けてより良い話ができるはずだ。
確かな経験とリンクされたモノはきっと深く印象に残る。
「今日はこんな人とこんなゲームをしたんだ。この人がとても面白くて〜…、それでもってこのゲームもすごくよくできているんだ!」と、きっと家族に、友人に、またカフェで会った別の人に、そんな話をしてくれるのではないだろうか。

私は1より2の方が、ワクワクします。
ビジネスの重要な3つの視点、それは「儲かるか」*「勝てるか」*「やりたいか」。少なくとも、「やりたい」ですね。あとは、どう儲けて、どう勝つか。

他に良いビジネス案があれば、ぜひお聞かせください。
posted by らりお at 22:54| Comment(2) | 市場分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ダーツバーが、らりおさんの言う理想に近いのかと感じました。
プレイヤー同士の対戦を店員がアシストしたり、そもそも、知らない人と対戦をするのが普通という文化があったりと参考になるところが沢山あります。

ちなみにダーツバーとボードゲームはとても相性がいいので、よく持ち込んでは遊んでいます。
ダーツにあぶれてしまった人たちに好評ですよ。
Posted by 遊び人の金さん at 2014年08月13日 03:30
遊び人の金さん様

書き込み有り難うございます。
なるほど、ダーツバーはそういう文化があるのですね。行ったこと無いのですが、グループで行って遊ぶところだと思っていました。確かにそういう風土があるのなら、ボドゲも良い役割を果たしそうですね。
今度行ってみようと思います。ありがとうございました^^
Posted by らりお at 2014年08月13日 13:28
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