さて、5月5日のゲームマーケット東京春2015に出展してまいりました!
長かったようで短かった。すべてはこのブログで、昨年8月8日にボードゲーム制作プロジェクトとして発足したことから始まりました。
「ボードゲーム制作プロジェクトメンバー募集」
http://begin-boardgames.seesaa.net/article/403411740.html
結果はどうだったかというと……。
初出展ながら、「猛牛が倒せない」は200個超、コラボ作品である
「CITRUS×CITRUS」は50個超と非常に大きな反響をいただきました。
今回のゲームマーケット参加者数が8,500人とのことなので、200個ということは42.5人に1人、クラスに1人が買ってくれた計算!また、時間という切り口から見ると、2分に1個買ってくれた計算になります。
試遊してくれた方も含めればそれ以上の人に来ていただいて、本当にありがたい限りです。
また、買った後に、実際やってみて「面白かった」という声もそれなりに届いていて、そこが一番報われるポイントでした。やはり「これ面白そう」と思って買っていただいたのに、想像と違ってNot for meなのが一番ダメだと思っていますので……。
さて、そのあたりも含めて、約1年を通してやってきた「こたパ」プロジェクトですが、総括として、自分なりに感じたことを無理やり3つにまとめたいと思います。
【ボードゲーム作りは簡単で、とてつもなく難しい】
ボードゲームを作りたい!
その思いはどこから来たんだろうと振り返ってみると……。
そもそもは、ボードゲームとの出会いが衝撃的で、こんな世界がもっと広がれば、日本はもっとハッピーになると信じたことでした。
あとはもちろん、自分が作ったものを誰かに遊んでもらって、喜んでもらいたいということも大きな原動力だったなぁ。
さて、そんなモチベーションがありつつ始めたボードゲーム作りですが、とにかく簡単で、そしてとてつもなく難しいという二律背反を感じました。
簡単なのは、知識や技術がなくても作ろうと思えば作れるということ。デジタルゲームを作ろうとすればプログラミングから習得しなければならないでしょうけど、ボードゲーム制作におけるそのハードルはとても低いです。
だからこそ、難しかった。
「誰でもできること」を「誰でもできないことにする」ために、どうすればいいか。
既にある大小様々なサークル(巷では多すぎると言われてるほど)と、どう差別化して、手にとって、遊んでもらって、更に面白いと感じてもらうのか。
アイディアは日常に転がっているからいくらでも思いつくし(言いすぎ?)、ちょっとゲームにしてみようと思えば確かにできる(面白いかは別)。でも、思い付きをゲームにすることが、そもそも自分たちがやりたいことなのかどうか、ここをプロジェクトではよくよく考えました。
そこで、「こたつパーティー」らしさって何だろうとか。「こたつパーティー」はどう思われたいかとか。そういうことをリーダーとして色々考えました。
で、結果的には「捨てること」から始めました。つまり、「やらないことを決めた」わけです。
何をやらないのか。ずっと昔からボードゲームが好きな人で、たぶんこの業界で影響力がありそうな人、そんな人たちに認められようとするのはやめる!という選択です(何度でも書きますが、認められる力があるかどうかは別の話ですし、たぶんこの方向性だと色々な面で無理が出たはずです)。
代わりに、ここ1〜2年でボードゲームに出会って、ちょっとハマって、周囲に全くボードゲームを知らない人たちがたくさんいる。そんな自分やメンバー自身の分身的な人を具体的なターゲットに沿えて、徹底的に彼らに楽しんでもらうためのゲームにしよう!と軸を決めました。
なぜなら、「こたつパーティー」のミッションは日本のボードゲーム市場をより盛り上げるために、ボードゲーム熱を伝搬させていくことですから。
そんなわけで的を絞って、プレイシーンなどを思い描きながらゲーム作りを始め、ゲーム内容、ルールで揉めたときはそこに立ち返って何がベストかを考え、決断してきました。
私たちはとにかくシンプルであることを今回重視していたため、思い切って捨てるシーンは多くありました。
その結果完成した「猛牛が倒せない」は、私たちが遊んでもらいたい人たちにとって、今の私たちなりのベストアンサーにできたと思っています。
冒頭にも書きましたが、「これは面白そう」と思った人が「確かに面白かった!自分に合ってた!」と思う。これがベスト。ワーストは買ってもらえないことではなくて、面白そうと思ったのに、面白くなかったことだと私は考えます。
その齟齬をなくすために、ゲームタイトルの付け方、ルール、作品の雰囲気など、細部に気を配ることが重要であると感じています。このあたりも、ボードゲーム作りの大きな難しさの一つかもしれません。
※全然別の話かもしれませんが、以前仕事で「美味しい」の定義は何か、について調査したことがありました。その一つの重要な要素は、「頭でイメージしていた味」と「実際の味」にギャップがないことでした。期待を良い意味で大きく裏切るのは良いことでしょうけど、ベクトルが違う方向にあると「美味しさ」にハマらないというのは面白い結果だったのを覚えています。
【前のめりにやることの大切さ】
私は以前、頭の中で色々考えて「あ、このアイデアは俺も考えたことある!」とか、よく思っていました。元々考えるのは好きな方なので、考えすぎるきらいがそもそもありました。
でも、考えていることは人から見えない。人はその人が何をしたのか、どんな行動をしたのか、それしか見ていないということ。この一年で自分が意識してきたポイントはここだと思います。これはボドゲ制作プロジェクトを発起したこと以外にも、他の色々な経験に影響を与えました。
「何に対しても前のめりであること」は自分のルールになりつつあります。
一方で、考えたことをすぐやると危険であることも経験から分かってるので、2日考えて、それでもやりたければやる! 今はこんな感じです。
さて、ボードゲーム制作に話を戻すと、前のめりにやったことは大きくは二つ。
1つは初出展にもかかわらず歴戦のサークルさんとコラボして作品を作ったこと。
これはとても良い経験になりました。他のサークルさんがどう効率的に作り、どうアイデアを出し、どう形にしていくのか。それを一緒に体験することで、「こたつパーティー」そのもののレベル感が上がりました。
Twitterで全体に呼びかけていたものに飛びついて、前のめりで提案してコラボできた良い経験でした。
そうしてできたのが「CITRUS×CITRUS」ですね。
http://citrus-citrus.tumblr.com/
もう1つは、とにかく実際の販売にあたって、前のめりな接客を心掛けたこと。
私たちの作品はターゲットの性質上、予約を多数とる、というよりも現場でいくつ買ってもらうかということが重要でした。
ゆっくり歩く人に対して積極的な声掛けをして、その人に刺さりそうな言葉でうまく興味を引けたことが、当日販売で多く買っていただけた要因であると思います。
また5分で回せるゲームであったため、高い回転率で、継続的に買っていただけたのも大きな点でした。
一方で反省点もあって。
例えば、自分たち主催のゲーム会を開けばよかったとか、ボードゲームを制作されているより多くの人たちの関われれば良かったとか……。優先度が低くなってしまったことが、スケジュール的に後手になり、実行できなかったことも数多くありました。
この辺りは今後の課題です。
【チームで作るメリット>>>デメリット】
私が今回もっとも思ったのは、やはりチームとしてボードゲームを作って本当に良い点が多かったということです。おそらく一人で制作を始めていれば、飽き性の私は出展どころか、まともなゲーム一つ作ることすらできずに挫折していたでしょう。
以下、簡単にチームで作ることのメリットとデメリットをまとめました。
「メリット」
●チームメンバーそれぞれに得意な分野を振り、効率的に作業を分担できる
●選択肢が増え、より良いものを作れる可能性が高まる
●在庫リスクなど金銭的なリスクが軽減される
●大変な経験を一緒に乗り越えた仲間ができる
●チームとして動くことで自分自身に責任感が芽生える
●自分自身が大きく成長できる
「デメリット」
●ゲームの整合性が取りづらくなる(良いアイデアをつぎはぎした感じになりやすい)
●利益が分散される
●人間関係のめんどくささがある
重要なのは、これらのデメリットはリーダーとしての覚悟ややる気があれば、結構簡単に解消することができるということです。
これからもしボードゲーム制作をチームでしてみようと、行動を起こされる方は以下の点を意識し、表明した上でチームビルディングをするとよいと思います。
●そもそも何を目指すチームなのか。ゲーム制作を通して何をしたいのか。
●そのためにどんなチームでありたいのか。どういう価値観なのか。
●そのためにはどんなスキル、知識、経験が必要なのか。
●お金に関わる問題について、どのような方針なのか。
こたつパーティーの場合、このブログを通して募集し、2人が参加し、途中で1人が去り、1人が加わりました。紆余曲折はありましたが、今はとても満足していますし、このブログを書きはじめ、そしてプロジェクトを発起し、一定の成果を残せたことをとてもうれしく思います。
今後も同様に様々なボドゲ制作者が増えることを願っています!
そして、「こたつパーティー」は2期に突入し、これからもボードゲーム制作に取り組んでいきます。今後とも応援よろしくお願いいたします!
【まとめ】
●ボードゲームを作る時は、思い切って何かを捨ててみる。絞ってみる。
●全ては行動。2日考えたら、とりあえずやってみる。
●やるならチームがオススメ。自分の成長にも大きくつながる。
●こたパはこれからもボドゲ作りを続けるよ!
【ボードゲーム制作サークルPR】
こたつパーティー(こたパ)
「あなたの毎日に、もっとボードゲームを!」
New ゲームマーケット2015春 新作
「猛牛が倒せない」
「CITRUS×CITRUS」
WEB:http://www.kotatsu-party.com/
ブログ:http://kotatsu-party.sblo.jp/
Twitter: @kotatsu_pa
Podcast「こたトーク!」
「あなたの隙間時間を、ちょっとだけ彩るボードゲームトーク」
http://kotatsu-party.sblo.jp/article/104937190.html
広島でゲームイベントの会社を経営している26歳です。
らりおさんのカードゲームの記述や考察は、非常に興味深く、今後の活動についても関心を持つようになりました。
弊社はまだスタートアップの時期で、今後はゲームを題材にしたリーグや交流イベントを展開する予定です。
らりおさんのご経験を参考にしたいのですが、メールでご返信いただけませんか。
コメントありがとうございます。
最近は更新があまりできておらず恐縮ですが……汗。
ぜひ、私でお力になれることがあれば!
メール送らせていただきますね。
愛知県のゲームメーカー「あんちっく」(自営)と申します。
(2015年9月起業の生まれたて超弱小メーカーです♪)
激安廉価版のカードゲーム製造を得意としており、
カードゲーム(ボードゲーム)のアイデア募集もしていたりします♪d(^^)
基本的に、
アイデア発掘→商品化→販売数に応じたロイヤルティー支払いという流れの商売です。
(厳密には、「あんちっく」もゲーム開発しています♪)
(有名になったら「高級版」を他メーカーで作ってもいいよ〜♪という、ゆるゆる契約です!)
(「あんちっく」からの卸値が安いので、大量仕入れして販売という形態も、すでに成り立ってます。)
「あんちっく」の方針は、
「日本でのカードゲーム(ボードゲーム)の普及率を上げるには、
廉価版にも力を入れなければならない!」(最近は高級化路線が多すぎる!)
というものなんですが、手段は違うかもしれませんが、、
「らりお様」の最終目標とかなり似ているので、コメント書き込みしてしまいました♪(^^;)>
このような変な(?)メーカーも存在しますので、
「ビジネス面からのアプローチ考察」で、
ご参考にいただければ幸いです♪(^^)
また、実際にご利用していただければ、
さらに幸いです♪
なおカード1枚あたり2〜3円です♪
(普通オリジナルカードは10円くらいです。)
(名刺みたいなカードなので、傷みやすいという弱点はあります…(^^;))
なお、説明書とか梱包材とか輸送費、利益、消費税とか、
色々と商品価格は上がってしまいますが、
300-700円くらいの商品が多いです♪(^^)
(ちなみに将棋関連の商品も得意です♪)
返信遅くなり申し訳ありませんでした。
ご紹介いただきありがとうございます。
制作コストの高さは確かに一つのハードルですから、面白い試みであると思います。
もしWebページなどありましたらご紹介いただけますと幸いです。
ご返事ありがとうございます♪
ゲームメーカー「あんちっく」(自営業)の山口です。(^^)
Webページですが、以下のページとなります♪
↓
★あんちっくホームページ
http://antic-main.com/
「カードゲーム募集」などやっています♪(^^)
(他にも色々とやっています♪)
ちなみに制作コストを抑えて製造するまでは上手くいったのですが、
まだまだ知名度も低く販売において苦戦状態だったりします♪(^^;)>
今後、ボードゲームの展示会などに出展予定ですが、
個人的には年●回→月1〜2回ぐらい開催して欲しかったりします♪(^^)