2014年12月09日

ボードゲームのドラマ性について考えてみる

【はじめに】

この記事はI was gameのカレーさん主催
”Board Game Design Advent Calendar 2014” の9日目として、
掲載しております。
http://www.adventar.org/calendars/447

こんにちは、GM2015春に向けてゲームを制作している 「こたつパーティー」というサークルを主催しております、らりおと申します。
http://www.kotatsu-party.com/

名だたるボードゲーム製作者たちの中、最近ボードゲームを始めたばかりで、まだ制作物を発表していない私がこの場で書くのはとても恐縮です。ただ、せっかく掴んだ機会ですので、私なりの考えを全力でお伝えできればと思います。

テーマは「ボードゲームのドラマ性」 について、となっております。

ボヤっとした話から入るため、メインの話までたどり着くのに少しお時間をいただくことになりそうです。興味ある部分をピックアップしていただければと思います。
少しでも皆さんの閃きやアイデアに貢献できることがあれば幸いです。

【ピカソとゲームデザインの話】

「ゲームにおけるドラマ性」の話に行く前に、少しだけ考えていることを書きたいと思います。

私は普段、マーケティングに関わる仕事をしております。マーケティングは、お客様にどのように買っていただけるようにするか、という話ですが、はてさて、ボードゲーム制作の世界にそれは関係するのでしょうか。
マーケティングにおいて、常に意識しなければならないのは、「私たちのお客様は誰なのか?」ということ。このウェイトが非常に大きいと感じます。それに対してどんなコンセプトの製品をどのようなポジションで提案するのか。それによって製品仕様やメッセージ、そしてどこで販売するかなどが変わってきます。

この記事の前半では、「クリエイティブにターゲットは必要なのだろうか」という、そんな素朴な疑問について考えてみます。

クリエイティブは何か、と問われると、私のなかで最たるものは芸術作品です。
音楽や建築物や、絵画。
この世界には、名だたる芸術家と言われている人たちがいます。芸術に疎い私ですが、頭の中でパッと思い浮かぶのは、パブロ・ピカソです。

私がピカソの絵を初めて見たのは、たぶん幼稚園か小学校低学年のときでした。
母親にこの絵は数億円するといわれて、「なんでこんな変な絵が……」と幼い私は思ったものです。私には未だにその良さを理解できていませんし、 1万円と1 億円の絵を見せられて、どっちがどっちを判別することはできないと思います。

ピカソについてWikipediaで調べてみると、面白いのは彼の山あり谷ありの人生の中で、彼自身そのものが絵画に表れていることです。その時々によって、絵のタッチ、スタイルが全く違うのです。

私が感じたのは、なるほど、芸術の世界は完全な「プロダクト・アウト」なのだなということでした。とにかく彼は、描きたい物を、ただ描いていたのではないでしょうか。

(※プロダクト・アウトはマーケティングの用語で、簡単にいえば「作りたいものを作る」「気に入ってくれた人が買ってくれればいい」というやり方です。
対義語は「マーケット・イン」と呼ばれています。こちらは「誰に買ってほしいかを想定して作る」というやり方になります。

物が少なかった時代はプロダクト・アウトで多くの企業が成長をしてきましたが、近年は物が溢れ返り競争が激しく、ターゲットを絞って、まさにその人に向けた商品開発・マーケティングをしないとなかなか買ってもらえないと言われています。)

芸術家は自分の世界観を何らかの形で表現しています。その中にはメッセージがあることもあれば、ないこともあるのでしょう。その世界観を理解し、気に入った人がファンになって、その作品の価値、その人自身の価値を作っていく。そんな風に感じました。
(もちろん技術的な素晴らしさもあるのだと思います)

それでは、ボードゲームに置きかえてみるとどうなのだろうと。

私は、ボードゲームのデザインは芸術に似た部分があると感じています。
私たちボードゲーマーはゲームをプレイしていて、時々、痺れるようなゲームデザインに出会うことがあります。思わず、「おおっ!」と声が出る。そして、まさにそれを体験したいからこそ様々なボードゲームを遊んでいる、といっても過言ではない気がしています。システム的な美しさと面白さ、ここが整っているゲームに感動を覚えるわけです。

ドイツゲームデザイナーの巨匠と言われる人たちには、独特の世界観や得意技があります。ゲームをしていて、「クニッツィア氏らしいゲーム」と私たちが感じるのは、まさに彼の紡ぎ出す芸術性そのものではないでしょうか。

現在、日本国内でも様々なボードゲーム制作がなされており、徐々にサークルごと、もしくは作家さんごとの味が醸成されてきていると感じます。現にあのサークル(あのデザイナー)らしい作品だね、という声が twitterでもよく聞くようになってきました。

ボードゲームを「プロダクト・アウト」的に創作するというのは、自分たちなりの芸術性の追求であり、その人の世界観の表現であると思います。今後、その「らしさ」を出していける人たちは、いずれドイツでも「これ、○○らしいゲームだね!」と言われる日が来るのでは、と思います。

冒頭の質問「クリエイティブにターゲットは必要か?」に自答するならば、「ゲームシステムは一種の芸術だ。自分らしさを突き詰めて表現し、そこにフォロワーがいるなら必要ない。プロダクト・アウトのゲーム創作は十分に機能する」と考えました。


【任天堂とターゲットの捉え方の話】

しかしながら、自身でゲーム制作を実際に進めていると分かることがありました。
それは、どうやら自分はピカソにはなれないな、ということです。
そもそも、私には芸術的なセンスというものが、悲しいくらいありません。
学校の美術の時間は地獄でしたし、自分の考えを物に落とし込んで表現する、ということがとても苦手でした。また、ピカソがゲルニカに込めた思いのように、そんなに強烈に表現したい何かがあったわけでもありません。

そこで思ったのは、どうやら自分は「作りたいものを作る」スタイルでフォロワーを獲得するのは難しいなということです。いえ、弛まぬ努力を重ねれば、おそらくできないことはないとは思うのですが、多分勝てないし、自分の強みを活かせる領域ではないなと思うのです。

そこで、「マーケット・イン的」にゲーム作りをするのはどうか、と考えてみました。つまり、「こんな人たちにこんな風に遊んでほしいゲームはどんなもの?」という考え方です。

きっかけとなった任天堂の Wii成功の理由に関する記事です。これはとても印象的な内容を孕んでいました。
発売時期が近かったことから、当時 PS3とWii はよく比較されていましたが、売上ベースで見れば、 Wiiの圧勝でした。実際、任天堂の当時の株価は劇的に上がりましたね。
その理由は、簡単にいえば、 PS3はゲームクオリティを上げる方向性にこだわったが、 Wiiは「そもそものターゲットのとらえ方を変えた」、この差にあると分析されていました。
つまり、Wii は普段ゲームをしない層を巻き込むことに成功したわけで、そのギミックが体感型ゲームでの運動不足解消であったり、 DSの脳トレに代表される、実用性を持たせたゲームということです。

新しいターゲットを設定し、新たな価値をゲームというスタイルで提供する。
私はなんとなく、これにある種の「かっこよさ」を覚えました。
ピカソとは別の意味で、新しい世界を切り開いている感じ。ボードゲームも、こういうことができるのではないか。

そんなわけで、私はゲーム作りにおいて、遊び手を特定して、その人たちに提案していくことにしました。なるべく具体的なプレイシーンを提供し、遊びの形を提案できれば、ターゲットは絞られてしまうけれども、刺さる人には刺さるゲームが作れるぞと!

問題は、その人たちにどう伝えていくか(伝えるチャネルは?伝える内容は?)
そして、そもそも本当にそれをその人たちが求めているのか……?
資金のある企業であれば入念な調査を経て、投資するかどうかを決定するでしょうが、私はただの一個人、一サークルに過ぎません。知恵と勇気を振り絞って、ぶつかり続けて見えていくものを模索していくしかありません。

そんな中、ボードゲームデザインにおいて、現在もっとも重視しているのは「ドラマ性」というキーワードです。

【ゲームにおけるドラマ性をデザインする】

長い前置きを経てようやく主題に入ります。ボードゲームデザインに関してのみ興味がある方は、ここからお読みいただくのがベストです!

さて、突然ではありますが、人は「すぐに忘れる生き物だ」と言われています。有名な忘却曲線は 1か月で人は80%を忘れることを示しています。
しかしながら、自分がとても小さなころの出来事でも、未だ鮮明に覚えている出来事も、たくさんありますよね。そしてそれはたいていの場合、具体的なエピソードに紐づいているのではないでしょうか。
例えば、苦手なテストで初めて 100点をとったときは、そういえばその前日に母が鬼のような形相で勉強を見てくれていて、半泣きになりながらやっていたなぁ……とか(実話)。

強烈なインパクトのあるエピソードは記憶からなかなか離れません。それはネガティブな表現をすればトラウマですし、ポジティブに考えれば成功体験と言えるでしょう。

前提として、私は「普段ゲームをしない、もしくはボードゲームをしない人たち」を少しずつ巻き込んでいきたいと思っています。ですから、そういうことがしやすいゲームを作って提案していきたい。
そのためには、遊んだ時に、一定量の記憶に対するインパクトが必要ではないか、という仮説を持っています。記憶に残れば、情報は伝播されやすくなり、巻き込みの輪が広がっていくのではないでしょうか。
そのインパクトの重要な源泉の 1つこそ、ゲームのドラマ性ではないか、と私は考えているわけです。そして、多くのライトに遊ぶ人たちは、ゲームシステムとしての斬新さ・美しさもさることながら、ボードゲームのこの部分を楽しんでくれているのではないかと想定しています。

※ゲームのドラマ性については、過去の記事もお時間あればご参照ください
http://begin-boardgames.seesaa.net/article/407895547.html

私は、「ボードゲームにおけるドラマ性」を下記のことを指しています。

「プレイヤー間における選択の結果、様々な想定外の結末を生む仕掛け」

ゲームにおけるドラマ性とは偶然「起きる」ものでしょうか。
もちろん、それもあるでしょう。
しかし、ゲームにおいて、ドラマは「起こす」ことができるものです。
そこには下記のような条件が必要ではないか、と考えています。

1. 自由な選択

私が自らの意志で選んだから、ドラマが生まれます。それがすべての起点です。
主人公が周りに流され続けてハプニングが起こり続け、その結果ドラマが起こるということもあるかもしれません。ただ、その場合「これは私じゃなくてもいいね」と思うのではないでしょうか。

また、たとえ形式的に3つの選択肢が用意されていても、そのうち 1つしか現実的な選択肢がないとすれば、それはプレイヤーが選択しているとは言い難いと思います。
例えば、ほぼすべてのケースについて、この状況だとBしかありえないし、あの場合はAしかありえないなどです。これではシステムやルールに「選ばされている」とプレイヤーは感じてしまいそうです。
プレイヤーはそれぞれの選択において、分かりやすい報酬とリスクを提示された上で判断できる必要があります。これを自由な選択としました。

昔、オダギリジョー氏が出ているクレジットカードの TVCMで、いくつかのカードを持たされて「どうする、俺!?」というものがありましたが、まさにあの感じ。これはボードゲーム的体験の核の一つになっているのではないかと考えています。

もちろん、選択の結果ではなく、ランダム性によって偶然ドラマができることもあります。既に今回の企画で話題にも上がっている「人生ゲーム」はまさにそれで、自分で運命のルーレットを回し、自分の仮の人生と偶然を重ねて見るから盛り上がるのでしょう。
いずれにせよ、「これは私だからこうなったのだと感じられること」がドラマ性において重要と考えます。それを「ルーレットを回す」というアクションで担保するのか、あるいは「思考の結果何かを選ぶか」の差です。これは良し悪しではありませんが、私たちの提案したいボードゲームは「選択の結果」を重視しています。

引き出したい言葉
「うーん……どっちにしようかな……」
「あそこであれしとけばよかったなぁ……」


2. 他者への影響

そのプレイヤーの選択によって、そのプレイヤーの報酬とリスクのみが確定するのであれば、他プレイヤーにとってあまり関心のあることではありません。それはもはや対岸の火事であり、ときには早々に諦めてしまうことを招きます。

しかしながら、彼が変なことをするばかりに、私が大変なことになる。彼女の一手で状況が激変する。いわゆるソロプレイ感のないゲームは、ここのウェイトがとても大きく、だからこそドラマを生みやすいと思います。

引き出したい言葉
「えー、それだけはやめてー!!」


3. 予測不能性

前述2 つの事項に密接にかかわってくるところですが、予定調和の連続は退屈です。
そのためには、「ランダム要素があること」、「相手の情報が見えないこと」、「それぞれの一手が他の手に及ぼす関係性」が必要ではないでしょうか。
最後は前述とほぼ同じ事の繰り返しですが、もう少しだけ具体的に。
これはA が出されているとき、 Bが出されるとAにデメリット orメリットがある、のような物が数種類用意されているということです(関係性が多すぎて覚えられないのは逆にダメですが)。
例えばスカルキングにおける 3すくみの関係などです(スカルキング>パイレーツ>マーメード>スカルキング)。
これにより、心の中では可能性があることを理解しているけれども、「今出せないはず!」⇒「出せますけど!?」のような流れが生じ、ドラマが生まれると考えています。

予測不能性という言葉は少し的を外しているかもしれません。
より正しくは、予測できないことはないのだけれども、「たぶん大丈夫だろうと思ってしまう状況」を作り出せるか、ということです。

引き出したい言葉
「そのカードあったのかー!!」
「ふっ……計画通り!」


4. 緩急

「最初から最後までクライマックスだぜ」という有名な台詞を、仮面ライダー電王のあるキャラクターが叫びました。しかし、もはやそれはクライマックスではありません、平時です。
もし名作「暴れん坊将軍」に戦闘シーンしかなければ、視聴者からすれば退屈と感じてしまうでしょう。あの話は、普段は穏やかで荘厳な雰囲気のある将軍様が、ひとたび悪人と見れば豪快に夜討ちでぶった切るのがたまらないわけです。
つまり、ドラマには起承転結、少なくとも「緩急」が必要と考えます。

ゲームで考えるとどういうことでしょうか。
カードゲームであれば、ある程度、効果の強弱をピーキーにすることがそれにあたるかもしれません。何もない時は淡々と進むけど、ひとたび何かが起こるとてんやわんやする。ここには忘れられないドラマが生まれる可能性があります。

また、プレイヤーを「油断させる仕組み」があると、なおよいと思います。
例えば、ククのカンビオにおける「猫」の役割。この子は実にいい仕事をします。通常カードを交換して一安心、となったところに猫の呪いで遡って脱落してしまうのです。これは驚きや悔しさ、そして面白い展開を生みやすいですね(予測不能性に近い話ですが)。


5.リプレイ要素

ゲームの上でドラマ性を生み出そうという試み上、どうしても運の要素が絡みやすい。場合によってはドラマが生まれず、部分的にしか楽しめないかもしれません。
そのため、1プレイを短く、具体的には「5分以内」で終わる。そして「ちょっとだけ考える」要素を与えて、「えっ、もう終わり!? 物足りない!」という感情を引き出すようなゲームデザインできると素敵だと思います。その時に「考えさせる」という点はとても重要で、「まずゲームとして面白そうだ」と思ってもらわなければ、どんなに短くてもリプレイされないでしょう。
もしくは、ドミニオンのようなバリエーションを持ち、他のパターンも試してみたいという方向に誘導することも有効ではないかと思います。

そしてもちろん、1回のプレイで、起こしたい事象の発生確率をあげるのも重要だと思います。ただし、1通りのドラマしか起こりえないゲームなのであれば、それはまだまだ改善の余地があるとも思います。
定義の通り、「様々な」予想外の事象がおこり得る状態であるからこそ、複数回のプレイが自然と促進される。多分それが、私の提案したいゲームです。

【まとめ】

●「作りたいものを作って発表していくことができる」人たちは、今後一層、自分らしさを磨いた作品を完成させて、世界でも「○○らしい作品だね!」といわれる日がくることでしょう。

●一方で、「誰に何をどんなシーンで」などを具体化して、提案型でゲームを考える人も増えていくのではないでしょうか。私自身、ボードゲームに対しての新しいニーズを発掘していきたいと思います。

●私の想定しているターゲットに対して、重要なゲームの要素の一つは「ドラマ性」です。ドラマ性とは「プレイヤー間の選択の結果、一部、あるいは全プレイヤーにとって、様々な想定外の結末を生む仕掛け」と定義しています。

●ドラマ性を生み出すには「自由な選択」「他者への影響」「予測不能性」「緩急」「リプレイ要素」が必要ではないかと考えます。

【最後に】

ここまで約7,000文字と、長旅にお付き合いいただきありがとうございました。
ゲームをまだ1つも完成させてもいない人間の思いつきのような点が多々あり、諸先輩方からすれば既に分かっていることや、的外れかもしれません。
ただ、私自身の中で「何がやりたいのか」、「どうしていきたいのか」を考える良い機会になりました!
このような機会を与えてくださった、 I was gameのカレーさんには心から感謝を申し上げたいと思います。

これからも、当ブログと、ボドゲ制作サークル「こたつパーティー」ともども、よろしくお願いいたします。
posted by らりお at 00:44| Comment(0) | ボードゲームコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月21日

【コラム】インスト中、嫁の目は死んでいないか!?

ゲームマーケット2014秋、出展者の皆様お疲れ様でした。
どのブースも非常に忙しくされていて、あまりご挨拶できませんでしたが、個人的には雰囲気ともども大満足でした。

来場者数はさらに増えたようで、ここ数年毎年10%弱で成長している感じでしょうか。この感じは、イケてる業界の成長曲線に近いですね! 着実に火が付いてきているとみていいと思います。
しかも、市場規模や認知などについては、まだまだ伸び白はありそうです。私も作る側でも遊ぶ側でも盛り上げに関わっていければなぁと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

ともあれ、久々の更新になってしまいました。
このブログもなんだかんだで、7月から開始して計3万以上のアクセスをいただいております。ありがたいお話です、というか完全に想定外です。正直、細々と思ったことメモ書きしよう、みたいな感じでしたから! これも拙文に興味を持ってくださる方々のおかげですね、ありがとうございます!

さて、今回のテーマは「ゲームのルールを普及する」ということで、コラムらしく、ゆるふわ系でお届けします。ほんとはこういう文章書く方が好きです。

話は数日前、ゲームマーケット後の我が家に遡ります。
「おーい、イソノー、このボドゲやろうぜー!」
意気揚揚と嫁にGMで買ってきたゲームをプレイさせようとする私。
「このゲーム、めっちゃおもろいから! これな、勝利条件はこれで、お互いの手番で……クドクドクドk(5分くらい続く)」
すごーく分かりやすく、理路整然と話しました! 理解できないはずがありません。オープン会ならこれで、するりとゲームプレイできるはずです(自信過剰
にもかかわらず!!

気づいたら嫁の目が死んでいた事件。

……Why!?

私、オープン会はほぼインストされる側で、インスト聞くの大好きなんですよ。
だってワクワクするじゃないですか。ルール聞いて、たぶんこのゲームの勘所はここだなぁーなんて思いながら、トライ&エラーしていく感じ。ボードゲームにおいてインストはゲームの一部なんですよね。

一方、私が良くボードゲームを一緒に遊ぶのは、「ボドゲなにそれおいしいの」な人たちが多いんです。家に呼んで、「たこやきパーティー」した後とかにやるんですけど。

するとですね、そもそも彼らのボドゲに対する最初の期待値がめっちゃ低いんですよ。
「どれ、サイコロ一つ振ってやればいいんだろ^^」くらいな感じからくるわけで。そんな彼らに淡々とインストしてみても、大抵前述の嫁のように目が死ぬ人がでてきます。

嫁に話を聞いたところ、「ボードゲームは、やってみると面白い。が、インストを聞くのがめんどくさい!」と、ボードゲーマー泣かせなことを言ってきました。
「別に聞いたらルールは分かるでしょ?」
「基本は分かるんだけど、この場合どうするとか多すぎ。あと点数の取り方とか覚えられない。説明が3分くらいを越えるともう嫌になってくる、というかやる前に飽きる。あと、絶対自分で説明書からルール覚えて人に教えるとかやりたくない。誰かが教えてくれるなら、なんとかやれるけど」
「不満だらけやんけ……」

ははぁ、なるほど。
おそらく彼女の場合、ボードゲームへのハマり方(モチベーション)が高くないのです。ですから、懸命にルールを覚えよう!という姿勢がそもそもありません。まぁ、こういう人にボードゲーム買ってもらうのは無理だよねー……。
とか思っていたわけですが、よくよく考えてみると、たぶん世の中的にはそういう人が大半なんですよね。だから、市場は伸びてはいるもののまだまだ知らない人が多い世界なのかなと思ったり。

つまり、インストは彼ら彼女らにとって、楽しむ要素というよりは立ちはだかる巨大な壁!進撃の巨人に出てくる、そう、あんな感じの!
そんなとき、いかに素早く梯子をかけて、目が生きたままの状態で楽しませるか!
インスト中は彼らにとってドラクエのバリア床を歩いている感じな気がします。宝箱にたどり着く前に死んでしまっては元も子もありません。

脱線しましたが……それで、もっと言うと、誰かに教えてもらって覚えたルールを、簡単に他の人に教えてあげられる循環をうまく作れるか、というのもありますね。
「ゲーマー⇒ノンゲーマー⇒ノンゲーマー」の流れが確保されていくと、とってもスムーズに市場が広がっていく気がします!市場を盛り上げようぜ、っていう大きなイシューに対して、実はここがすごーくクリティカルじゃないかなと個人的に思っています。

じゃあ、具体的にどうすんのよと。
いくつかのアプローチで考えてみます。

まず根本的なルール設計を、めちゃくちゃ分かりやすくしようというもの。
(あくまでノンゲーマーにメインに遊んでほしい!というゲームのお話です)

マジカル7っていう法則があるのですが、人が短期的に覚えていられていることは7±2とかなんとか言われています(プレゼン資料の1枚のスライドに入れるキーワード数とかでよく使われている気がします)。
なので、重要なことはこの範囲内、可能なら5つくらいに抑えたらいいんじゃないかなと。
例えば、既にルールがほぼ普及しているゲームを考えてみると……。

ババ抜き
1. はじめに、手札で2枚揃っている数字のカードを捨てます
2. 右(左)の人から1枚取ります
3. 取ったカードで、また2枚揃っている数字カードがあれば捨てます
4. 最後にババが手札に残った人が負けです

大富豪(超ベーシック)
1. カードを最初に無くした人が勝ち
2. 3が一番弱くて2が一番強い。でもジョーカーはもっと強い
3. 前の人が出したものより強いものしか出せない。
4. 同じ数字なら何枚でも一緒に出せる。その場合、次の人も同じ枚数それより強いカードしか出せない。
5. ジョーカーは単独でも使えるし、何かと一緒にも使える
6. 4枚同じカードを出したら革命。強さが逆転する
7. 負けた人は次のゲームで最も強いカードを買った人に渡す
+ご当地ルール多数(8切り、ロック、イレブンバック、スペ3、下剋上、都落ちetc)

多分、ババ抜きは90%以上のルール認知率があると思いますが、大富豪は10〜30代くらいの世代でも50〜60%くらいまで落ちるのではないでしょうか。これはルール数と相関性がありそうです。でもそれでも、これだけあれば十分ですね!

……ただ、ここまで削ぎ落とすのはとても難しいですよね。作っているから分かるのですが、ある程度ゲームとしてのオリジナリティを出そうとすると、どうしても複雑化してしまうもの。この間、自作ゲームをメンバ0に披露したところ、「処理多すぎて、らりおがいないと絶対できない」と言われました!ワーン

ですから、うちのサークル「こたつパーティー」では「3分でインストできるか?」というのを一つの基準にしています。実際やって見せて、という動きを付けて説明していると3分は結構一瞬です!
3分で説明できないなら、簡素化するのか、重要事項は減らすのか、ということです。
感覚的に遊べる、というのもとても重要な要素ですね(この辺はもっと深堀できるかも)。

で、重要なのはこっちのほう。
インストの再現性をどう高めるか。ボードゲーマーじゃない人たちにゲームを買ってもらって、彼、彼女たちが、家族とか他の友人と遊んでもらうとき、今度はその人がインストする必要があります。この壁が高い、しかもかなり。

私はもうここについては、ダイナミックに放棄してもいいんじゃないかと。
いや、諦めるということではなく、別にこの人たちにインストしてもらわなくていいやと! なんなら、画面の中の私がやりますよと!

つまり、インストを動画にして、すぐアクセスできる環境にすりゃいいんじゃないかと思います。最近はどんなゲームにもチュートリアル的なものがありますが、全てシステム的に行われていますよね(というか、そもそも私たちがビデオゲームなりをするとき、説明書読みませんし……。)
それと同じで、「これを見れば、あなたもこのゲームをすぐ遊べる!」というインスト動画のQRコードなりを、パッケージにつけてしまう。
スマホ大前提(Ipad大歓迎)ですけど、みんなでスマホ画面見れば、それでゲームが遊べてしまう!これなら重ゲーでもOKかも!? もちろん、煩雑な部分は別途サマリーがあるというのは、重ゲーの場合は大前提でしょうけどね。

これは多分効果があって、根拠もあるのです。
その名も「メラビアンの法則」!!(なんかかっこいい)。
人が記憶にとどめる、理解するなどの場合、どういった方法が良いかみたいな話です。
いわく、印象の残り方は言語7%、聴覚38%、視覚55%です。
つまり、ルールブックの文字情報を読んで記憶に残ることは7%なわけです!(愕然
ということは、100%理解するというのがいかに努力を要することか……。
私たちゲーマーは誰よりも早くゲームをプレイしたいから、新作ゲームを読み込んでインスト準備をしちゃったりする、ことゲームに関してモチベーションの高い人たちです。しかし、多くの人はそこまでやってくれません。

私は松岡修造氏がとても好きなので、よく例に出すんですけど、彼のブログで「熱くなれよー!」とだけ書かれていたら、たぶん多くの人が「あ、はい」で終わっちゃう。
彼が動画メッセージで激しい息遣い(笑)、興奮した様子で、こちらを見て「熱くなれよー!」とか「圭、ここであきらめるな!」というから、心に残ります。

私はインストもそうなのかなと。文字を解読させるのは大きな負担です。
プレイ動画も重要ですが、インスト動画がもっと増えることで、例えB君にボードゲーマーな友達がいなくても、B君が自分でゲームを買って誰かと簡単に遊べるようになるのは、素敵かなぁと思っていたりします。彼らにとっての壁を下げてあげる仕組みを持つということですかね。

ただ、最終的にはそこからボードゲームにどっぷりとハマって、自分でインストしてみたい、みたいな気持になる人が出てくれば、それはまたうれしいですね! やっぱりインストすること含めて、ボードゲームだよね、というのはなんかありますものね。

まぁとりあえず、うちのサークル「こたつパーティー」は、狙ってるターゲットが割とノンゲーマーに寄っていますから、そういうハードル下げの仕掛けは積極的にチャレンジしようと思っています。
さぁ、まずはAviutlでの動画編集から勉強しましょう!!(遠い目


【ボードゲーム制作サークルPR】

こたつパーティー(こたパ)
「あなたの毎日に、もっとボードゲームを!」
WEB:http://www.kotatsu-party.com/ 
ブログ:http://kotatsu-party.sblo.jp/ 
Twitter: @kotatsu_pa

Podcast「こたトーク!」
「あなたの隙間時間を、ちょっとだけ彩るボードゲームトーク」
http://kotatsu-party.sblo.jp/article/104937190.html
posted by らりお at 15:55| Comment(2) | ボードゲームコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月07日

【コラム】ボードゲームのコラボ先について考えてみる

約1カ月ぶりの投稿となります。今回から普通の文体で書いてみようかと……。

正式にボードゲーム制作プロジェクトもスタートし、こちらのブログの更新が遅くなってきました。隔週〜月1で更新できたらと思いますが、自分の中での課題や書きたいことがあれば書く、という方針で参ります。

さて、前回の記事はtwitterでは100RT以上の反響があり、まずはお読みいただいた皆様に感謝です。またコメントも多数お寄せいただきありがとうございました。
twitter上などでのコメントも一通り読ませていただき、やはり「コラボしかない!」と断定した部分に関しては、否定的な意見が多かったですね。

今回のエントリーでは、「ボードゲームのコラボ」について、私なりの考え方をご紹介できればと思います。私の定義している「コラボ」と、ブログを読んでいただいた方の「コラボ」の受け取り方には若干の乖離があるかもしれません。それはもはや「コラボ」じゃねぇよ、と言われるやも(笑)

さてさて、そもそもこのブログのテーマは日本のボードゲーム市場規模を、5年以内に現状の約10〜15倍(と予測される)の100億円に持っていくためにはどうすればいいか?ということがテーマです。
そのためには、そもそも我々の定義するところの「ボードゲーム」という存在を認知していない方が非常に多いのが問題であると提起してきました。

※いきなり余談ですが、先日、Facebookで「最近ボドゲにハマってる」というポストをしたところ、旧友や会社の同僚などから「ボードゲームって人生ゲーム、モノポリーのこと?」みたいな反応を多数いただきました…。

つまり、「知って」、「試す」というフェイズにまで持っていければ、市場の広がりが期待できるだろうという仮説に基づいているわけですね。そして当然その先には「どう日常の中で使ってもらえる存在になるか」ということを提案していく必要もあるでしょう。

現状のボードゲーム業界を客観的に見てみると、多くのゲームのターゲットは当然現在のプレイヤーです(そもそも大半が輸入ゲームの日本語版)。つまり、すでにボードゲームを知ってプレイする楽しさを知っている人たち、私やこのブログを呼んでいるようなマニア(?)な方々ですよね。もしくは、同人業界でいえば、海外市場に目が向いているサークルさんもいらっしゃいますね。

つまり、目線は「内向き」+「超外向き」になっていて、国内でのちょうどいい「外向き」の活動が非常に少ないと感じます。だから「知られる」という部分が弱いのではないでしょうか。
今は、既存のボードゲームプレイヤー周辺の人たちを巻き込んでいくことで少しずつ増える、という構造になっています。
「別にそれでいいじゃん!」「そんなに人増えても困るわ」って意見もあると思いますし、私は全くそれらの意見に反対しません。ただ、あくまでこのブログの趣旨は「5年以内に100億円」ですから、今のままでは物足りないのですね。

では、まずどう知ってもらおうかということになるわけですが、現在の日本で最も影響力があるのはマスメディア、特にテレビを使うことです(影響力は落ちてきていると言われていますが、依然やはり強いなと感じます)。もしくは有名人を使ったPRを起こすこと。このあたりの影響力は図り知れません。

しかし、これには当然カネと人脈、そして話題性が必要です。

例えば、日本におけるボードゲーム市場の成長性と経営者としての能力を買われて、ベンチャーキャピタルから出資を受けて、全面攻勢に出るというやり方はあると思います。ただ、非常にリスクが高く、やる人がいません。資本力のある大手おもちゃメーカーすらそれに着手しないのは、リスクが高すぎるからです(つまり、結果が読めない、ギャンブルに近いと思われている)。

なら、どうするか?
実現可能性ということを考慮して評価すると、外向きに対してできることは「コラボ」だと思うのです。

「コラボ? それこそ莫大なお金がかかるだろ」という尤もな意見が飛んできそうですが、私の考えるコラボは「アニメなどのコンテンツと組む」ことではなく、「ボードゲームと全く関係のないあらゆるものと協力する」ということです。

つまり、ボードゲームというジャンルが外の世界とつながることが重要と考えます。例えばそうですね…。

2014年GM春の「理想の納豆」はまさにそれですね。

http://matome.naver.jp/odai/2140166963502558501

ポイントは「全国納豆協同組合連合会公認」ということです。
単に納豆をモチーフにしたゲームでは、外部に知られる機会が薄いですが、外部組織の権威づけを得ることで、「話題性」「その団体の周辺へ飛び火」できます。
これが外へ認知を広げる手段として、「Win-Winを維持しながら」できる良い手法だと考えています。

例えばこの話題性がメディアに取り上げられるきっかけになるかもしれません。
例えばこの団体の誰かが良い人脈を持っていて、新たな展開につながるかもしれません。

全ては可能性の話ですが、こういった方向性にも種をまくことが、現在制作サイドとしてできる範囲の中で、とても重要かと思います。

コラボを考える際に気をつけたいのは、Win-Winを意識することですね。
例えば、「ようかいウォッチ」とコラボしたいと思っても、パワーバランスが全く釣り合わない。ボードゲーム制作側から与えられるものは「お金」になってしまい、当然支払えないでしょう。

団体は小さい、あるいはそこまで世間の認知がされていなくてもいいと思います。
ボードゲームが与えられることとして、「ゲームを通して何かを理解してもらう、問題を認知してもらう」は重要な要素だと思います。例えばその団体はNPOでもいいし、市町村でもいいし、零細企業や業界団体でもいいでしょう。

これは私が就職活動をしていたときの話です。
ある商社の説明会に行った際、「商社の仕事とはなんぞや?」を理解してもらうために、商社ゲームなるものが行われました。これがなかなか本格的で、どことパートナーを組んで、どこに投資するか。また途中でランダムイベントが起き、それに対してどのように対応するか。適度なジレンマもあり、相手チームとのかかわりもあったので、かなり白熱しました。
また、それだけではなく、きちんと「商社の仕事とはなんぞや?」が分かったんですよね、終わったあとに。少なくとも流れや雰囲気や、その仕事において何が重要なのか、ということが。
その時はゲームを作るなんてことを思いつきもしませんでしたが、何かをPRしたり、何かを理解してほしいという時の導入方法として、ゲームほどしっくりくるものはないなと今になって思います。

例えば「理想の納豆」はゲームとしても面白いのはさることながら、実は「納豆は混ぜれば混ぜるほどおいしい!」わけではなく、「ちょうどいい混ぜ具合がある」ということを体験できる良い題材です。終わったあとに、確かに納豆を食べたくなるというのも、PRの役割を全うしてくれています。

何かを伝えるとか、良さを分かってほしい。企業や団体のメッセージは今どんどん伝わりにくくなっています(お客さんが聞く耳を持たなくなっていたり、似たようなものが多すぎる)。そんなとき、伝えたいことをゲームとして理解してもらうということに、私はとても可能性を感じています。
まぁ、この話をすると教育、広告がメインになってしまって、ゲームとしての本来の面白さが!っていう話も出てくるわけですが、そこは工夫で両立にトライするというものでしょう!(投げやり

あらゆる外部との「コラボ」に勝機(商機)があるのではないか、という仮説は、こういうことを意味していました(ちなみに、カフェとかバーでボドゲを遊んでもらうというのも立派なコラボですよね)。

この話は制作サイドとして、「私が今できることは何か?」という目線で書いています。パワーを持てば持つほど、「コラボ」の選択肢は広がります。相手に与えられるWinを大きくしていくことはとても重要ですね。

ところで、私は現在ゲームマーケット春2015に向けて、ボードゲーム制作プロジェクトを進行しております。このたび、名称やWeb siteが立ち上がりましたので紹介させてください。

【ボードゲーム制作プロジェクト情報】
名前:こたつパーティー(略して「こたパ」で覚えてください!)

WEB:http://www.kotatsu-party.com/ 
(現在は暫定版。デザインなど随時ブラッシュアップされます!)

ブログ:http://kotatsu-party.sblo.jp/ 
(とりあえずここをチェック!)

Twitter: @kotatsu_pa
(お気軽にフォローください、基本フォローバックさせていただきます)

こたつパーティーは私含めて現在3人のチームです。私がリーダーとなっていますが、基本的には3人全員の同意の下で活動しておりますので、このブログで私が語ったことが全てなされているわけではありません(苦笑)
ただ、大きな方向性はブレていないかなとも思います。
現在アートワーク担当者は絶賛募集中で、ボードゲーム作りをしてみたいという方はぜひお声掛けください。その際は下記の記事もご参照ください。(ただゲームのコンセプトによって必要なアートワークも変わってきますので、そこはご容赦ください)
http://begin-boardgames.seesaa.net/article/403411740.html

2015春のゲームマーケットでは、まずは自分たちのパワーを上げたいなと思います(実績を作りたい!)。パワーゼロの状態だと、なかなかコラボというのも難しいですからね…。
また、制作P側のブログにもあげますが、やはりサークル同士の横のつながりと、市場の外とのつながりを意識した活動を重点にします。

しばらくはブログの更新がメインの情報発信になりますが、ニコニコ動画でのゲームプレイ投稿、Podcast、他サークルさんとの懇親会、テストプレイなど積極的に行っていく予定です。
ぜひ、Twitterのフォローをよろしくお願いいたします。一緒に盛り上がっていきましょう!

当ブログに関しては、相変わらず私個人の考えやジャストアイデアを垂れ流していきますので、そちらも随時読んでいただけると嬉しいです!
posted by らりお at 16:09| Comment(0) | ボードゲームコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。