2014年10月07日

【コラム】ボードゲームのコラボ先について考えてみる

約1カ月ぶりの投稿となります。今回から普通の文体で書いてみようかと……。

正式にボードゲーム制作プロジェクトもスタートし、こちらのブログの更新が遅くなってきました。隔週〜月1で更新できたらと思いますが、自分の中での課題や書きたいことがあれば書く、という方針で参ります。

さて、前回の記事はtwitterでは100RT以上の反響があり、まずはお読みいただいた皆様に感謝です。またコメントも多数お寄せいただきありがとうございました。
twitter上などでのコメントも一通り読ませていただき、やはり「コラボしかない!」と断定した部分に関しては、否定的な意見が多かったですね。

今回のエントリーでは、「ボードゲームのコラボ」について、私なりの考え方をご紹介できればと思います。私の定義している「コラボ」と、ブログを読んでいただいた方の「コラボ」の受け取り方には若干の乖離があるかもしれません。それはもはや「コラボ」じゃねぇよ、と言われるやも(笑)

さてさて、そもそもこのブログのテーマは日本のボードゲーム市場規模を、5年以内に現状の約10〜15倍(と予測される)の100億円に持っていくためにはどうすればいいか?ということがテーマです。
そのためには、そもそも我々の定義するところの「ボードゲーム」という存在を認知していない方が非常に多いのが問題であると提起してきました。

※いきなり余談ですが、先日、Facebookで「最近ボドゲにハマってる」というポストをしたところ、旧友や会社の同僚などから「ボードゲームって人生ゲーム、モノポリーのこと?」みたいな反応を多数いただきました…。

つまり、「知って」、「試す」というフェイズにまで持っていければ、市場の広がりが期待できるだろうという仮説に基づいているわけですね。そして当然その先には「どう日常の中で使ってもらえる存在になるか」ということを提案していく必要もあるでしょう。

現状のボードゲーム業界を客観的に見てみると、多くのゲームのターゲットは当然現在のプレイヤーです(そもそも大半が輸入ゲームの日本語版)。つまり、すでにボードゲームを知ってプレイする楽しさを知っている人たち、私やこのブログを呼んでいるようなマニア(?)な方々ですよね。もしくは、同人業界でいえば、海外市場に目が向いているサークルさんもいらっしゃいますね。

つまり、目線は「内向き」+「超外向き」になっていて、国内でのちょうどいい「外向き」の活動が非常に少ないと感じます。だから「知られる」という部分が弱いのではないでしょうか。
今は、既存のボードゲームプレイヤー周辺の人たちを巻き込んでいくことで少しずつ増える、という構造になっています。
「別にそれでいいじゃん!」「そんなに人増えても困るわ」って意見もあると思いますし、私は全くそれらの意見に反対しません。ただ、あくまでこのブログの趣旨は「5年以内に100億円」ですから、今のままでは物足りないのですね。

では、まずどう知ってもらおうかということになるわけですが、現在の日本で最も影響力があるのはマスメディア、特にテレビを使うことです(影響力は落ちてきていると言われていますが、依然やはり強いなと感じます)。もしくは有名人を使ったPRを起こすこと。このあたりの影響力は図り知れません。

しかし、これには当然カネと人脈、そして話題性が必要です。

例えば、日本におけるボードゲーム市場の成長性と経営者としての能力を買われて、ベンチャーキャピタルから出資を受けて、全面攻勢に出るというやり方はあると思います。ただ、非常にリスクが高く、やる人がいません。資本力のある大手おもちゃメーカーすらそれに着手しないのは、リスクが高すぎるからです(つまり、結果が読めない、ギャンブルに近いと思われている)。

なら、どうするか?
実現可能性ということを考慮して評価すると、外向きに対してできることは「コラボ」だと思うのです。

「コラボ? それこそ莫大なお金がかかるだろ」という尤もな意見が飛んできそうですが、私の考えるコラボは「アニメなどのコンテンツと組む」ことではなく、「ボードゲームと全く関係のないあらゆるものと協力する」ということです。

つまり、ボードゲームというジャンルが外の世界とつながることが重要と考えます。例えばそうですね…。

2014年GM春の「理想の納豆」はまさにそれですね。

http://matome.naver.jp/odai/2140166963502558501

ポイントは「全国納豆協同組合連合会公認」ということです。
単に納豆をモチーフにしたゲームでは、外部に知られる機会が薄いですが、外部組織の権威づけを得ることで、「話題性」「その団体の周辺へ飛び火」できます。
これが外へ認知を広げる手段として、「Win-Winを維持しながら」できる良い手法だと考えています。

例えばこの話題性がメディアに取り上げられるきっかけになるかもしれません。
例えばこの団体の誰かが良い人脈を持っていて、新たな展開につながるかもしれません。

全ては可能性の話ですが、こういった方向性にも種をまくことが、現在制作サイドとしてできる範囲の中で、とても重要かと思います。

コラボを考える際に気をつけたいのは、Win-Winを意識することですね。
例えば、「ようかいウォッチ」とコラボしたいと思っても、パワーバランスが全く釣り合わない。ボードゲーム制作側から与えられるものは「お金」になってしまい、当然支払えないでしょう。

団体は小さい、あるいはそこまで世間の認知がされていなくてもいいと思います。
ボードゲームが与えられることとして、「ゲームを通して何かを理解してもらう、問題を認知してもらう」は重要な要素だと思います。例えばその団体はNPOでもいいし、市町村でもいいし、零細企業や業界団体でもいいでしょう。

これは私が就職活動をしていたときの話です。
ある商社の説明会に行った際、「商社の仕事とはなんぞや?」を理解してもらうために、商社ゲームなるものが行われました。これがなかなか本格的で、どことパートナーを組んで、どこに投資するか。また途中でランダムイベントが起き、それに対してどのように対応するか。適度なジレンマもあり、相手チームとのかかわりもあったので、かなり白熱しました。
また、それだけではなく、きちんと「商社の仕事とはなんぞや?」が分かったんですよね、終わったあとに。少なくとも流れや雰囲気や、その仕事において何が重要なのか、ということが。
その時はゲームを作るなんてことを思いつきもしませんでしたが、何かをPRしたり、何かを理解してほしいという時の導入方法として、ゲームほどしっくりくるものはないなと今になって思います。

例えば「理想の納豆」はゲームとしても面白いのはさることながら、実は「納豆は混ぜれば混ぜるほどおいしい!」わけではなく、「ちょうどいい混ぜ具合がある」ということを体験できる良い題材です。終わったあとに、確かに納豆を食べたくなるというのも、PRの役割を全うしてくれています。

何かを伝えるとか、良さを分かってほしい。企業や団体のメッセージは今どんどん伝わりにくくなっています(お客さんが聞く耳を持たなくなっていたり、似たようなものが多すぎる)。そんなとき、伝えたいことをゲームとして理解してもらうということに、私はとても可能性を感じています。
まぁ、この話をすると教育、広告がメインになってしまって、ゲームとしての本来の面白さが!っていう話も出てくるわけですが、そこは工夫で両立にトライするというものでしょう!(投げやり

あらゆる外部との「コラボ」に勝機(商機)があるのではないか、という仮説は、こういうことを意味していました(ちなみに、カフェとかバーでボドゲを遊んでもらうというのも立派なコラボですよね)。

この話は制作サイドとして、「私が今できることは何か?」という目線で書いています。パワーを持てば持つほど、「コラボ」の選択肢は広がります。相手に与えられるWinを大きくしていくことはとても重要ですね。

ところで、私は現在ゲームマーケット春2015に向けて、ボードゲーム制作プロジェクトを進行しております。このたび、名称やWeb siteが立ち上がりましたので紹介させてください。

【ボードゲーム制作プロジェクト情報】
名前:こたつパーティー(略して「こたパ」で覚えてください!)

WEB:http://www.kotatsu-party.com/ 
(現在は暫定版。デザインなど随時ブラッシュアップされます!)

ブログ:http://kotatsu-party.sblo.jp/ 
(とりあえずここをチェック!)

Twitter: @kotatsu_pa
(お気軽にフォローください、基本フォローバックさせていただきます)

こたつパーティーは私含めて現在3人のチームです。私がリーダーとなっていますが、基本的には3人全員の同意の下で活動しておりますので、このブログで私が語ったことが全てなされているわけではありません(苦笑)
ただ、大きな方向性はブレていないかなとも思います。
現在アートワーク担当者は絶賛募集中で、ボードゲーム作りをしてみたいという方はぜひお声掛けください。その際は下記の記事もご参照ください。(ただゲームのコンセプトによって必要なアートワークも変わってきますので、そこはご容赦ください)
http://begin-boardgames.seesaa.net/article/403411740.html

2015春のゲームマーケットでは、まずは自分たちのパワーを上げたいなと思います(実績を作りたい!)。パワーゼロの状態だと、なかなかコラボというのも難しいですからね…。
また、制作P側のブログにもあげますが、やはりサークル同士の横のつながりと、市場の外とのつながりを意識した活動を重点にします。

しばらくはブログの更新がメインの情報発信になりますが、ニコニコ動画でのゲームプレイ投稿、Podcast、他サークルさんとの懇親会、テストプレイなど積極的に行っていく予定です。
ぜひ、Twitterのフォローをよろしくお願いいたします。一緒に盛り上がっていきましょう!

当ブログに関しては、相変わらず私個人の考えやジャストアイデアを垂れ流していきますので、そちらも随時読んでいただけると嬉しいです!
posted by らりお at 16:09| Comment(0) | ボードゲームコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月17日

ボードゲーム市場構造の課題点と対策について考えてみる

【ボードゲームプレイヤーを層別に分解する】

今回のエントリーでは、ボードゲームプレイヤーを層別に分解し、市場構造の問題点、その対策について論じてみたい。相も変わらずデータはほとんど存在しないため、肌感覚や仮説に基づいた分析であることはご承知おきいただきたい。

では早速、ボードゲームプレイヤーを層別に分解してみよう。私の肌感覚で、ざっくりと以下の4つに分解をしてみた。

1. ヘビープレイヤー

現在のボードゲーム市場の中心にあるグループ。市場の8割は彼らによって賄われているだろう(パレート8:2の法則)。その他ホビー市場におけるヘビーユーザーと比較して、人を巻き込むことに熱心である。ゲームマーケットの来場者数から勘案するに、多くて約2,000人がここに属していると考える。

定義:以下の条件のいくつかに該当している。
・「趣味は?」と聞かれれば一番にボードゲームがくる(投資額が大きい)
・ボードゲーム専用の棚、置き場があり、一部屋の占有率が25%以上である
・オープンなボードゲーム会を主催している
・ボードゲームに関わることを仕事にしている

2. ミドルプレイヤー

趣味は複数あるが、そのうちの一つがボードゲーム、と答えるグループ。ボードゲームは友人と遊ぶためのツールであり、なおかつ自らの好奇心を満たしてくれるものでもある。市場への貢献度は全体の2割であり、一方で人数としては約8,000人と推測している(GM参加者数からの推計)。

定義:以下の条件のいくつかに該当している。
・自宅ボードゲーム会を主催している
・オープンなボードゲーム会に参加している
・ボードゲームに関する情報は一通り抑える
・気になったボードゲームを時々購入するが、保管場所に困るほどではない
・ゲームマーケットに参加

3. ライトプレイヤー

ボードゲームをプレイしたら楽しいと感じたグループ。ただし、更に自分で他のゲームについて調べよう、他人に勧めよう、自分でも購入しようとはあまり思わない。なぜなら、ボードゲームは多人数でワイワイ遊ぶものであり、買っても遊ぶ機会があまりない。「システムの面白さ<コミュニケーションツールとしての面白さ」を重視しているため、友人が持っていれば特に買う必要性を感じていない。ミドルユーザー以上の友人層に幅が広がるため、上位グループが一人あたり10人巻き込んでいると家庭すれば、約10万人がこの層にあたるだろう

定義:以下の条件のいくつかに該当している。
・友人の自宅ボードゲーム会に時々参加する
・ボードゲームは人生ゲームやUNOだけでないことを知っている
・楽しいが、自分で購入しようとはあまり思わない(友人の家で時々プレイすれば十分)

4. ノンプレイヤー

「ボドゲ、なにそれおいしいの?」「人生ゲームのこと?」というグループ。そもそもボードゲームという存在を認知していないため、調べることもない。現状、認知させる手段に乏しい(市場として小さい)故に、非常に多くの人がここに当てはまるだろう。

定義:上述の条件のいずれにも当てはまらない。


【層別に見た問題点とその解決策】

この構造は、エントランスが狭く、一部のハマる人によって市場が形成される、※ホビー市場の典型的な形であると思われる。具体的な市場規模としては、2011年の矢野経済研究所のデータが参考になる。

http://www.yano.co.jp/press/pdf/1002.pdf

※URLにもあるように、一般的にはオタク市場と呼ばれるが、私はこの言葉の与えるネガティブイメージが大きい気がして、あまり使わないようにしている。

上記サイトにリストアップされている物と、ボドゲ市場を比較し、層別も併せて考えると、大きく分けて2つの課題が存在すると考える。

1. 裾野を広げるのが難しく、ノンプレイヤー⇒ライトプレイヤーにレベルアップさせにくい

例えば、プラモデルやフィギュアは、コンテンツとの連動性が高い。ガンダム好きな人は、ガンプラのことを自然と知るし、試してみるかもしれない。また、ワンピース好きな人がそのフィギュアを集め始めることも流れとしては想像できる。
つまり、「既に人が存在する分野からお客さんを持ってこられるか」というのは、市場を発達させるにあたってとても重要な要素だ。
現状、ノンプレイヤーがライトプレイヤーになるために必要な要素は、「周囲にミドルまたはヘビープレイヤーがいるかどうか」という点が大きい。彼らによって布教されるかどうか。すなわち、遊び手依存型なのだ。

私はビジネスとしてこの市場をとらえるなら、作り手側が主体となってマーケットを広げなければドイツのようにはならないと思っている。
このブログで繰り返し主張していることで、難しいのは重々承知だが、市場を広げるなら「コラボ、コラボ、とにかくコラボ」だ。作り手は、日本で本気で売りたい、食っていきたいなら、制作物は何とコラボできるか真剣に考えるべきだろう(当然、私も含めて)。幸い日本はコンテンツの宝庫である。
コラボするにあたって必要な要素は「親和性」「相手にとってのメリット」、そして「人脈」だ。特に人脈が重要で、業界内⇒外への広がりを持つ、他の趣味、領域と掛け合わせる、などが必要と感じている。

2. ライトプレイヤーがお金を使わない構造になっている

多くの市場において、ライト層向けの商品が基本として存在している。そこから、ミドル向け、ヘビー向けに機能を付け、ブランド化していき、価格を上げる。
つまりライト層には大量生産でコストを下げて一般化された製品を提供し、ミドル・ヘビー層に対して多品種小ロット生産で高価格・高利益の製品ラインを提供するということだ。

しかしながら、ボードゲーム市場はミドル層、ヘビー層しかお金を使わない。なぜライト層はお金を使わないのだろうか?
それは「真の意味でライト層向けの製品が少ない」からだ。もちろん、製品そのもののスペックはライト層に耐えうるゲームはいくらでも存在する。しかし、ミドル層やヘビー層は「ボードゲーム会や、仲間との遊びの場でボードゲームを遊ぶ」という目的(理由)のためにボードゲームを購入している一方で、ライト層は「自分で主催してまでやる必要性を感じない」「友人に会に呼ばれればそれで十分だ」と思っている。つまり、彼らにはボードゲームを自分で購入する理由がないのだ。ボードゲームそのものは面白いと思っているのにもかかわらず。

では、真の意味でのライト層向けとは何か。それは彼らに対してボードゲームを購入する理由を作ってあげた上で、提供することだ。具体的には、「友人を呼んでボードゲームで一緒に遊ぶ」というハードルの高いシーン以外で、※ボードゲームが日常で果たせる役割、メリットを明確に提示することだと私は思う。
これをしていかなければ、ボードゲーム市場はミドル、ヘビープレイヤーのためのホビー市場という枠組みからは出られないし、規模としても現在からさほど大きく増えないだろう。

※例えば、醤油のキッコーマンがアメリカで成功した理由の一つは、肉を食べる手段として「テリヤキ」レシピを普及したからだ。「醤油=日本料理」というアメリカ人の思考を、「醤油=肉を食べる時の調味料」として、身近な価値観に落とし込んだ。これにより、アメリカにおいて醤油はもはやニッチ市場ではなくなった。

以上は今増えているであろうライト層に、(誤解を恐れず言えば)もっと「お金を使ってもらおう!」という戦略である。

この課題に対する打ち手としては、もう一つ方向性がある。それは、いかにライトプレイヤー⇒ミドルプレイヤーにレベルアップさせるか、というものだ。この確率を上げれば、この市場にお金を使ってくれるようになる。
ライトとミドルの決定的な違いは、「主体性があるか」という個人の性質による部分と、「新しい体験を求めているか」という点にある。前者に対するアプローチは難しいが、後者には「ボードゲームが提供してくれる価値」は「友人と遊ぶツール」というだけでなく、「新しい世界を知ってワクワクできる」というものがあると認知してもらえれば、レベルアップに貢献するかもしれない。
つまり、ボードゲームを「新しい遊びの体験」という位置づけにすることだ。

無論、私が仲間と進めているボードゲームプロジェクトは前者を目指している。

【ポイントの整理(図式化)】

・市場構造から見える課題は、認知していないノンプレイヤーが多すぎることと、ライトプレイヤーがお金を使わないことである。

ノンプレイヤー<<@認知の壁<<ライトプレイヤー<
@ 認知の壁を破るためには、「コラボ、コラボ、とにかくコラボ」! 既に人がいる分野から人を連れてくる

A 購入の壁を破るには、ライトプレイヤーがボードゲームを購入する理由を作る。主体性が必要なく、日常のよくあるシーンの中でボードゲームがライトプレイヤーに提供する価値、役割を明確化する。

B 主体性の壁を破り、ライトプレイヤーをミドルプレイヤーにレベルアップさせたいなら、ボードゲームを「友人との遊び道具」から、「新しい遊びの体験」という位置づけにする必要がある。
posted by らりお at 17:54| Comment(10) | 市場分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月08日

女性にも楽しんでもらいやすいボドゲはどういうものか?

【ボードゲーム会にまだまだ女性が少ないのは?】
現在マーケティングにおいて、「女性の心をいかに掴むか」ということは多くの企業にとって課題である。
なぜなら、彼女たちは流行に敏感であり、家庭における購入決定者であるからだ。
しかしながら、ボードゲームに立ち返って考えてみると、私は色々なボドゲ会に行っているが、女性の割合はすこぶる少ない。ほとんどが1割以下(30〜40人いて2,3人)の印象だ。
その原因はなんだろうか? 2つの可能性に分けて考えてみよう。

1. そもそも女性はボードゲームが好きではない。

例えばプラモデルなどの趣味は、女性はそもそも好きでないということが当てはまりそうだ。
しかし、ボードゲームに関してはこの可能性は低そうだ。なぜなら、同僚の女性陣とボードゲーム会を自宅でするときには、ほとんどの人が盛り上がるし、楽しんでいる。
ゲーム会に来られる女性も、リピート率は高そうだった。

2. ボードゲーム会の雰囲気が男性寄りである。

これは大きいだろう。というよりは、主催者の影響が大きいように思う。
以前いったボドゲ会は、会社の同期で立ちあげたものらしく、最初から女性もいる環境から始まっていたらしい。そのボドゲ会の女性の割合は4割近かった。この事例から考えれば、主催者の方向性とその構成メンバー、つまりは「女性目線での参加のしやすさ」が影響すると思われる。
また、下記のサイトには男女の脳の差に関する科学的な検証結果が書かれている。

http://www.men-joy.jp/archives/110511

曰く、男性は小脳が発達しており、一つの分野について極めるのが得意だという。(例:一般的に将棋や囲碁のプロは男性の方が強い)
一方、女性は右脳と左脳を繋げることが得意で、様々なことを同時にこなす、マルチタスクが得意だそうだ。(例:複数の料理を要領よく同時に作る)
ここから考えると、現在の男性ボードゲームプレイヤーは、趣味の中でもウェイトの高いものとしてボードゲームを扱っている可能性が高く、結果的にフリーク・ガチな雰囲気が醸成されやすい。
一方、女性がココに求めるものは、「新しい体験に触れてみたいという好奇心」や、「新たなコミュニティづくり」が主体なのかもしれない。

【得意=楽しい?】

さて、それでは今後女性のボードゲームプレイヤー(購入してくれる人)を増やすためにはどうすればいいだろうか。上述では、「ボードゲームは女性にも楽しんでもらえる」と書いたが、新たにボードゲームをプレイする女性に「楽しんでもらいやすいボードゲーム」というのは、どのようなものなのだろうか。

それを考えるにあたって、まずは「ゲームにおける楽しい」を分解することから始めよう。
楽しいとはつまり、「夢中になること」とも言えるだろう。
いくつかの資料を元に、7つの要素に分解をしてみた。

「相手との関係性」
1. 競争:優越感を得られる (例:他人より良い装備、ランキング高い)

2. 協力:達成感、貢献感、評価を得られる (例:連携して強い敵を撃破、フィードバック機能)

「自己完結するもの」
3. 収集:満足感を得られる (例:モンスター図鑑を埋める)

4. 学習:自己成長を感じられる (例:繰り返しプレイしてようやくクリアできた)

5. 表現:アイデンティティを感じられる (例:アバター機能)(他面的には相手との関わりも関係)

6. 発見:知的好奇心を満たす (例:豆知識Tips)

7. 没入:その世界に入り込める感覚を得られる (例:ストーリー、世界観)

さて、その上で次に「得意なことは楽しいか?」について考えてみる。
なぜなら、女性と男性では既に挙げたサイト(http://www.men-joy.jp/archives/110511)にあるように、得意なことが少し異なるためだ。仮に「得意なこと=楽しい」のであれば、女性が得意なことを満たせるゲームが女性に受け入れられやすいゲームということになる。

これについては、得意・不得意の軸と楽しい・楽しくないの2つの軸でマトリックスを使って整理してみる。

得意・楽しいマトリックス.png

結局のところ、プレイヤーがゲームに何を求めているかで答えは変わってくる。
「相手との関わり」を重視する人にとっては、得意であることは楽しいことと相関がありそうだ。
一方、「自己完結」で楽しめる人にとっては、得意であることは楽しいことと相関性が低いだろう。

では、女性の場合どちらが多いのか。
この答えになるかどうかは分からないが、既存ゲーム市場の成功事例から引っ張るのが良さそうだ。

日本ゲーム市場の歴史の中で女性ユーザーをゲームに取り込んだことで成功したゲームはいくつかあるが、その中でも顕著なのは「どうぶつの森シリーズ」ではないだろうか。
2001年以降シリーズ累計1,800万本以上売れているこのシリーズは、特に携帯ゲーム機になった「おいでよ どうぶつの森」「とびだせ どうぶつの森」で人気が加速した。その開発陣の大半は女性であり、ターゲティングも女性を意識しているのは明白である。

この「どうぶつの森」シリーズにおいて、強いゲーム要素はなんだろうかと考えてみると、「自己完結」要素が圧倒的に強いことが分かる(もちろん、協力・競争要素もあるが)。

収集:色々な家具などを集める
学習:繰り返しプレイで育っていく
表現:自分だけの村作り(ここに他者との関わりも入る)
没入:かわいい世界観、主人公は自分、日常との連動イベント

つまり、多くの女性がゲームに求めていることは競争、協力要素より、上述のようなものなのではないか。

【ボードゲームの目的にジレンマ】

しかしながら、よくよく考えてみると、ボードゲームの最終的な目的は「勝つこと」あるいは「負けないこと」であるものが圧倒的に多い。その制約の中でどのようなゲームにすれば女性に楽しんでもらいやすいだろうか。
これには2つの方向性があるだろう(この2つは相反するわけではない)。

1. 女性が得意なマルチタスク、もしくは言語・感情分野に根ざしたゲームを作る

つまり、「得意だから楽しい系」の女性を取り込む戦略だ。マルチタスクに加えて、女性のほうが左脳が発達している傾向にあると言われている。感情と言論の結びつけも上手いため、ブラフ系ゲームは女性のほうが強いだろう。「人狼ゲーム」が女性にもウケているのは、この「女性の強み」と「人狼の世界観への没入感」にあると思われる(状況が容易に想像しやすく、緊迫感もある。リアル脱出ゲームも同様に世界観をとても大切にしている。)
もしくはマルチタスクを具体化するなら、1度の複数のことを考えて実行しなければならないゲームだ。そしてその実行には制限時間、もしくは早いもの勝ちという制限があったほうが良い。じっくり考えると男性の方に優位性がありそうだ。

2. 勝ち負け以外の楽しい要素を盛り込んだゲームを作る

当然ゲームなので「勝ち負け」要素はあるのだが、その過程において、女性に受け入れられやすい要素をちりばめることだ。
まずもっとも重要なのが、没入感。つまりパッケージなどから感じられる「かわいい」「面白そう」という空気感、そして実際にそれがゲームシステムとマッチしているかどうか。そのテーマは「戦う」よりも、「集める」「作る」「育てる」「購入する」といったほうが受け入れやすいだろう。このあたりのテーマ性の男女差については、下記のサイトの本能マップが参考になる。

http://yuofc2.blog72.fc2.com/blog-entry-238.html

女性にコミュニケーションゲームが受け入れられやすいのは、言語分野の得意性もあるが、それ以上に勝ち負け要素の薄いゲームが多いからだ。
重要なのは「没入できるデザインとテーマ性」、そしてゲームの過程における「自己完結」できる要素「収集」「成長」「表現」「発見」を散りばめることだと考える(全てある必要は無い)。

【ポイントの整理】

・ボードゲーム市場における女性プレイヤーはまだまだ少ない(全体の1割)

・一方で女性を取り込むことは、市場全体の活性化につながる(流行の発信源であり、家庭における購入決定者であることが多いため)

・ゲームにおける楽しさは大きく分けて7つの要素に分けられる。
「相手との関わり」に関係する「競争」「協力」
「自己完結」で充足できる「収集」「表現」「学習」「発見」「没入」

・「得意」であることは、必ずしも「楽しい」につながるわけではなく、その人が求めていることによって異なる。

・どうぶつの森シリーズが女性に受け入れられ大ヒットしたのは、「自己完結」側の要素が大きい。

・ボードゲームは「勝ち負け」が最終ゴールであるものの、「没入感」を筆頭に、「自己完結」側の要素を中心に添えることで、女性にも楽しんでもらえるものになるだろう。
posted by らりお at 17:18| Comment(0) | 市場分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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